投稿一覧破滅派 4,297件

投稿を新着順に表示しています。

  1. 五月某日 小説

    • 野原 海明
    • 12年前
    • 4,015文字

    五月某日 大学時代の友人久しぶりに逢う。お互い社会人だ。 「いちばんお金使うものってなに」という話になり、「酒」と即答するおれ。   五月某日 かつて自分がつけていたのと同じ香水の香と…

  2. 軍艦 小説

    • 野原 海明
    • 12年前
    • 3,579文字

    巨大な軍艦がビルを破壊しながら突き進んで行くさまは、まるであの日の津波のようだった。小型戦艦が数隻並走している。軍の自動制御装置のトラブルだと、防災無線は繰り返し告げている。 海上に浮かぶ街は水…

  3. 『日の塵』2「綾瀬新撰組」 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 6,113文字

    前回は、東京の新名所スカイツリー周辺の町のお話をさせていただきました。そこでご紹介させていただいた小塚原処刑場は常磐線・南千住駅の近くにありました。その隣の駅は北千住です。江戸時代はこの一帯を「…

  4. あの時の言葉 小説

    • 渡海 小波津
    • 12年前
    • 812文字

    撞着語法の試作 出会いの春もいいですが、別れの春もありだと思いませんか。

    • 渡海 小波津
    • 12年前
    • 1,246文字

    木とは何か、叙景文を書く中で風景の要素となる木について考えた。 散文的な文体で坦々と書かれている。

  5. ほうせきのやまい 小説

    • 一個
    • 12年前
    • 1,682文字

    「それでは服を脱いで」 私の言葉に彼女は黙って従った。診察台と私のデスクとの間に置かれた薄い仕切りの向こう側で、サンダルを脱ぎ捨てたその足がちらりと動く。彼女の裸体など見慣れている私にとって、仕…

  6. 文脈の中で私達は無力である メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 3,482文字

    テキストはある文脈の中に位置づけて読まれる。ただし、文脈は広がりつつある。人々がスマートフォンを持つことで、位置情報を元にしたマーケティングが可能になったように、IT界の巨人達はより強い属性を求…

  7. 濁った精子 小説

    • 北橋 勇輝
    • 12年前
    • 816文字

      「濁った精子」              北橋 勇輝  私と女は同じクラスだが一度も会話をしたことがなかった。女の髪は肩ぐらいまで伸びていて、色は黒く輝いている。  その女が座る席を男子二人…

  8. 「天国温泉」 無職紀行 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 6,415文字

    ■2008年4月2~3日の土日に伊豆の堂ヶ島まで旅行した。義母の7回忌を兼ねて家族旅行したのだ。兼ねて旅行ちゅうのも変だが、ナマコの家族が言うのだからしかたがない。弔い旅行のつもりなのだろうか?…

  9. 我が身を振り返り猛省を促せ!誕生篇 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 1,298文字

    1957年1月2日、僕は福島県のいわき市に生まれました。父親は同じ福島にある猪苗代町の農家生まれで建築住宅販売会社の営業マンでした。母親は岩手県一関市にある神社の神主の娘で、電話交換師をしていま…

  10. 極上のファンタジー映画「曲がれ!スプーン」 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 945文字

    公開当時は、あまり話題にならなかった長澤まさみ主演の映画「曲がれスプーン」は僕の大好きな映画だ。公開当時は話題にならず注目されなかったことがかえって嬉しい。だって、僕のような変な嗜好の少数の人間…

  11. 「遺品」 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 1,047文字

      神奈川に住む父が死んだ。   もう電車は動いていないし、車もないし、もちろん真夜中にタクシーを千葉から神奈川まで飛ばす金なんかない。   翌日も始発電車に乗るほ…

  12. スルメイカとおむつと妹と 小説

    • 藻朱
    • 12年前
    • 536文字

      スルメイカを食べると、潮の香りが、口に広がる。それが好きで僕は今日もスルメイカを噛む。マヨネーズとか、唐辛子はつけないで、コンロの火で少しあぶって、人肌になったところを口に放り込ん…

  13. 110620.txt 小説

    • 藻朱
    • 12年前
    • 341文字

    ややもすれば返り血を浴びていた。返り血といったって、別段ぶっそうな話じゃなくて、たった今僕の目の前で弟が鼻血を出したのだ。鼻血にしてはなかなか見事なもので、僕の後ろの真っ白な壁が真っ赤に染まった…

  14. 骸骨歌 小説

    • 一個
    • 12年前
    • 6,364文字

    人間から余分なものを全てそぎ落としたら—— こう歌って笑う骸骨がいるという。 ――そぎ落としたら、後に残るのは骨だけだ。 だから自分たち骸骨は、人間様よりずっと身軽なのだというのが彼らの言い分だ…

  15. 「24才の旅」① 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 5,636文字

      1.   昭和56年(1981)。僕が24才の時です。当時の僕は神奈川県大和市の自宅から二子玉川にあるショッピングセンター内のレコード屋でアルバイトをしていましたが、1年半勤めた仕…

  16. 「タイマグラばあちゃん」 無職紀行 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 940文字

    観てたよ。岩手県早池峰山の南嶺に位置するタイマグラ(アイヌ語で森の奥に続く道という意味)地域に住む老夫婦のドキュメンタリー映画なんだ。ドキュメンタリーってやっぱりいいよね。人ってカメラを向けられ…

  17. 『日の塵(ひのちり)』1「帝都のお灯明 東京スカイツリー」 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 12年前
    • 2,239文字

     千葉にある自宅マンションからは、富士山と東京スカイツリーが並んで見えます。昼間のスカイツリーは白くて高いだけの塔でまったく面白くないのですが、夜のスカイツリーは、後方に帝都東京の街を従えて幽幻…