
想像してみて欲しい。
あなたは小さなこどもと共に無人島にいる。飲み水はどうにかなったものの、食料が尽きてこのままでは体力のないこどもが先に死ぬ。すでに数日食料採取には失敗し、今すぐにでも、こどもに何かを食べさせないと命の保証がない。
この時、こどもに自分の肉を食べさせるならどの部位か?
真剣に考えてほしい。これは倫理ではなく、純粋にロジスティクスの問題だ。食べさせたあともサバイバルの状況は続く。腕は使う。脚も使う。腹を割いたら内臓まで届いてしまう。胸は肋骨が邪魔だ。頬はどうか? 悪くないが、頬を削ぎ落とした顔でこどもに「さ、食べな」と言って、トラウマを残さないかは分の悪い賭けになる。
その後の活動を考えながら決めると、答えはある程度絞られてくる。
おそらく、臀部。尻だ。
尻は皮下脂肪が厚く、大きな血管や神経から比較的遠く、多少えぐっても歩行に支障をきたしにくい。進化の歴史が人間の尻に詰め込んだクッション材は、いざとなれば食料にもなる。なんと合理的な部位だろう。
食わせるなら尻から。
今回わたしは、その話をしてみたいと思う。
わたしは言ってみれば経験者だ。
と言っても、こどもに自分の尻を食わせたことはない。だが、わたしの尻、ジーンズの後部ポケットの底の辺りには拳半分くらいの凹みが残っている。かつてわたしはここに大きな穴を開けたまま生活していた。
勿体つけてもしょうがないので答えを言ってしまう。膿皮症の手術痕だ。
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