メニュー

混詩「太い」 2018.10.31

混詩集 (第8話)

Juan.B

※親愛なる「ふつーの日本人」達へ捧ぐ
※少しぐらい朴烈と金子文子に捧ぐ

タグ: #自由詩

1,036文字

知らないうちに俺の中に警官が宿っている

うんざりするくらいに俺の前頭葉に一個中隊が居座っている

俺が何かを言おうとするたびに警察は俺の脳みそを矯正してくれる

 

 

ダメだよ君は

君如きにそんなことが言えるわけないだろう

ああ君は周囲の日本人に対してなんと太いのだ

ああ君は

本当に

生まれ位で

言葉位で

肌の色位で

知り合いが死んだ位で

いじめられた位で

男や女位で

職質位で

シナチョンと聞いた位で

 

何をそんなにああ

金が欲しいのか

名誉か

ああ君もふつーにチンチンが付いてるな

そりゃ混血もニンゲンだからな

やっぱりセクスか

 

とにかくお前は

この青い制服に打ち震えよ

お前のその不逞混血性を直してやるから

この菊の御紋を舐めよ

ピチャピチャと

舌を良く使え

菊紋のテカりを取り戻せ

お前の太さはそれほどの罪深さなのだから

 

下を見よ下を

お前より悲惨な連中は大勢いる

浮浪者にキチガイにガイジンどもだぞ

ああお前の醜さも大概だが

ああ

上を見てはならぬ

上を問うてはならぬ

お前は素朴な感情を持たなくてはならぬ

アンナモノナンデモナイヨボクニホンダイスキと言ってみろ

 

お前は安定しなくても国は安定するのだ

お前が安定しないから国が安定できるのだ

ああお前はコンビニエンスストアに行き

ネパール人のレジ打ちにチキンを頼むその時

お前はネパール人と違い地面を持つことを喜ばなければならぬ

でなければお前は地面を捨てなければならぬ

ああお前は本当に情けの無い

マゾの豚の混血め

 

上を見るなと言っただろう!

上を見るな!

お前は何で上を見るんだ!

あの方に何の恨みがある!

あの方は単なる祭祀

恨むならせめてラーメン屋のテレビの国会中継に文句を付ける程度にしておけ

この国について深く考えてはならない

上へ上へと辿ってはならない

これはお前に対する最大の譲歩だ

 

上を見るなこの豚

上を見るな

上を見るな

上を見るなったら

上を見るな

空が落ちてくる

 

 

今日俺は脳に蔓延る警官を一個中隊殺した

明日は二個中隊か三個中隊来るかも知れない

だが高校の時は一個師団に駐屯されていた

一個師団殺すのに何年かかったと思ってるんだ

良いか上を見ろ

なんで上を見るのとバカな質問をする奴にはさせておけ

君も上を見ろ

下も見て良いが下にクソをするな

お前にクソを当ててくるのは上にいる奴だぞ

上にクソを投げろ

頭に警官を派遣してくる連中に投げろ

お前を卑屈にする連中を見据えよ

金やビニールの音に惑わされるな

魂だけは売るな

太い混血よ

© 2018 Juan.B ( 2018年11月1日公開

作品集『混詩集 』第8話 (全12話)

読み終えたらレビューしてください

みんなの評価

5.0点(1件の評価)

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

  1
  0
  0
  0
  0
ログインするとレビュー感想をつけられるようになります。 ログインする

著者

この作者の人気作

「混詩「太い」 2018.10.31」をリストに追加

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 あなたのアンソロジーとして共有したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

"混詩「太い」 2018.10.31"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る