歴史回文・幕末風雲伝-若き志士・義正と舞妓・お菊の悲恋物語-

メビウスの福袋(第6話)

大猫

1,172文字

幕末を舞台にした長大壮大な素晴らしい回文を作ろうと発奮。結果はこの通り。ご意見、ご批判を待つ。

 

いいことおへん、和宮剃髪
「黒船だ!」
「きい!」
「おいは西郷でごわす」
あらあらピンチ幕藩体制
列強物語った世界
COME 三、四、五 勤王!
浦和で維新?
海援隊坂本竜馬
キスも伝心剣士
高杉晋作奇兵隊

 

お菊は苦界
「見たか」
「死にたき! 抱きー」
「お菊に来て……」
「主様、しよ……」
「あ、あれー……」
「かの女、柔ぁ」

……恋
「ま、嘘ぉ!未軍戦士よ」
「じっと……」
「義正可愛い」
「いい若様、しよ……」

 

突如、新選組襲う。

舞妓、あわや難を逃れ

ああ、義正、死ぬ。

敵、憎き沖田!

北に死形見

医学歯茎を。

遺体へ菊さん、死儀姿、真剣。

「死んでも好き」

舞うより友か。

最短栄冠、強いて笑う。

うー呑気。

 

御維新さ。

向かい風立ったか?

飲もう、よき連れ。

伊勢異端、白馬チンピラ

あら、明日和子で鵜鯉差配。

お、粋だね。

風呂、靴穿いて、

闇の図鑑へ。

「男いい」

 

 

 

いいことおへんかずのみやていはつくろふねだきいおいはさいごうでごわすあらあらぴんちばくはんたいせいれっきょうものがたったせかいかむさんしいごきんのううらわでいしんかいえんたいさかもとりょうまきすもでんしんけんしたかすぎしんさくきへいたいおきくはくかいみたかしにたきだきおきくににきてぬしさましよああれかのおんなやわあこいまうそおみぐんせんしよじつとよしまさかわいいいいわかさましよとつじょしんせんぐみおそうまいこあわやなんをのがれああよしまさしぬてきにくきおきたきたにしかたみいがくはぐきをいたいへきくさんしぎすがたしんけんしんでもすきまうよりともかさいたんえいかんしいてわらううのんきごいしんさむかいかぜたつたかのもうよきつれいせいたんはくばちんぴらあらあすわこでうごいさはいおいきだねふろくつはいてやみのずかんへおとこいい

 

 

 

【鑑賞の手引】
黒船来航で徳川300年の太平も終りを告げ、西郷さんやら坂本竜馬やら高杉晋作やらが続々と登場する幕末。

舞台は風雲急を告げる京都。若き志士・義正と舞妓のお菊との激しい恋、新撰組の凶刃に倒れる義正。

いじらしくも気丈にふるまうお菊、そして激動の明治維新を迎え、生きる望みを失ったお菊が伊勢、白馬へと放浪の旅に出るはずが、「三、四、五 勤王」とか「浦和で維新」などと、わけのわからない語句を連発し、「風呂靴穿いて闇の図鑑」と酔っぱらいの寝言みたいなたわごとで締めることになってしまった。

なお、途中に「伝心剣士」という正体不明の人物が登場するが、本当は「るろうに剣心」を回文に織り込もうとして失敗したものであることを申し添えておく。

 

※念のため注意:黒船が浦賀に来航した一八五三年(嘉永六年)は皇女和宮はまだ七歳で、したがってまだ将軍家茂には降嫁しておらず、当然、剃髪などしておりません。

2018年10月12日公開

作品集『メビウスの福袋』第6話 (全12話)

© 2018 大猫

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"歴史回文・幕末風雲伝-若き志士・義正と舞妓・お菊の悲恋物語-"へのコメント 4

  • 投稿者 | 2018-10-14 23:35

    すばらしい「技」を読ませていただきました!!

    • 投稿者 | 2018-10-16 23:37

      ありがとうございます。暇人のひまな作品ですが、回文つくりは楽しいものです。
      歴史回文は「ベルサイユのばら」編もあります。また出しますのでよろしくお願いします。

      著者
  • 投稿者 | 2018-10-16 23:55

    楽しみにしております!

    • 投稿者 | 2018-10-17 00:20

      おお、そういえば、日付は変わりましたが10月16日はマリーアントワネットの命日でした。早速、ベルサイユのばら編を出しておきます。よろしければご笑覧ください。

      著者
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