明治時代に日本人として初めて、鎖国状態にあったチベットに密入国し様々な仏教研究を行った僧侶河口慧海がチベット脱出時に記した日記が、東京都世田谷区の親族宅で発見された。河口の出身地である大阪府堺市が26日に発表した。
黄檗宗の僧侶であった河口慧海(1866~1945)は、当時の日本における仏典などのあり方に疑問を持ち、梵語の原典やチベット語訳仏典を得るためにチベットに向う事を決意した。様々な苦難の末、1900年~1902年と、1913年~1915年の二度に渡ってチベットへの入国に成功し、様々な研究を行った。また現地では医者としても働き民衆に知られていたという。
彼のチベットでの生活は「チベット旅行記」「第二回チベット旅行記」で知る事が出来るが、今回、東京都世田谷区の親族宅で、河口が1902年に密入国の発覚を恐れてチベット脱出を決意した1月から、その後インドのダージリンにおける8月までの日記が発見された。
今年は河口慧海生誕150周年でもあり、出身地である堺市が河口慧海生誕150年記念事業を企画している中でのめでたい発見となった。日記は大阪府の堺市博物館で、記念事業期間である10月26日から12月4日まで公開される予定である。
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