潰れた自転車を押しつつ
汗をかいて転ぶ我に
何を言うか、啄木よ
満員電車に揺られ
スーツの大男の湿った温かい背中に触れる度
幸福とは何か考えたりする
皆が降りる駅ならば
何人か途中で放り出せばいい
まずは僕が放り出され
そうして無様に死ぬのだから
隣に座った見知らぬ老婆にさえ
儚い暖かさを覚えたりする
はるかぜに吹かれ乾くはスイミング終わりの小人の濡れたる髪
道端の中年の浮浪者と目が合って
僕と彼は似ていると思う夕暮
Deep StateとTrumpの
闘いを眺める今日この頃
蜘蛛だと思われ潰される哀れな埃
三島の影に侵されて日本刀持つ国民達
いつも隣に座るのはくたびれた顔の中年なり
好青年の恩師の隣に美女が座る時の微笑ましさ
"生活の中の断片的な詩集II"へのコメント 0件