最初に煉瓦を一片、
足元に置いたことから始まる
赤茶けた隙間にコンクリートを溶いては重ね続けた
微動だにせず、揺らしもしないで埋め、
背丈を追い越して

 

僕はそれを要塞《トーチカ》と呼んだ

 

身動き出来ないことは 予め予想していた
自分が選んだのだから 期待してたのかも知れない

目の位置にだけ覗き窓を作って眺めた

たまに鈍い眼の色をした
似たような姿もいたが
気のせいだった
憐みの視線は刺さらなくなった
受動する器官は閉じたみたいだ

 

次第に薄れゆく感覚
皮膚は土塊と同化した
耳も 鼻も

 

もし、内側から瓦礫を壊す術を知っていたなら

 

それは 希望だったろう
それは 愛だったろう

 

残念ながら
何から護る為の要塞だったか、これ以上は考察できない

 
 
 

2019年11月14日公開

作品集『夕闇通り七番街、店名は「深淵」でス。』第2話 (全7話)

© 2019 七曲カドニウム

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実験的 自由詩

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