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醉ひぐれ

無花果回

雨あがりの街を、誰かと並んで歩いたことはあるだろうか。
舗道に滲む灯のひとつひとつが、自分と他者の輪郭をそっと解いてゆく、あの夜のこと。
これは、ふたりが寄り添ふ詩ではない。
ふたりが、夜のかたむきへ、ともに醉ひ墜ちてゆく詩である。

タグ: #詩

240文字

雨あがり
舗道が銀を
ふくんでゐる
あなたの肩が
わたしの袖に、ふと
觸れた

 

街の灯
わたしの縁を
ほどきはじめ
あなたの縁も
にじみだす

 

ねえ、
と言ひかけて
言の葉を
ヨルに
こぼした

 

水たまり
逆さまの空に
ふたり、浮かぶ
醉ふほどに、
ふかい

 

歩いてゐる
はずなのに
わたしの脚は
あなたのユメを
踏んでゐる

 

硝子に
うつる
内側が
ぼうつと
ヒカリに
攫はれてゆく

 

あなたが
微かに
ゑんだ
そのほうへ
わたしは
すこし
かしいだ

 

夜のかたむきに
ふたりして
醉ひ寄つた

© 2026 無花果回 ( 2026年5月14日公開

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