生活の中の断片的な詩集II

人間賛歌(第59話)

山雪翔太

316文字

生活の中での他愛も無い短い詩集です。一部短歌。

潰れた自転車を押しつつ

汗をかいて転ぶ我に

何を言うか、啄木よ

……

満員電車に揺られ

スーツの大男の湿った温かい背中に触れる度

幸福とは何か考えたりする

……

皆が降りる駅ならば

何人か途中で放り出せばいい

まずは僕が放り出され

そうして無様に死ぬのだから

……

隣に座った見知らぬ老婆にさえ

儚い暖かさを覚えたりする

……

はるかぜに吹かれ乾くはスイミング終わりの小人の濡れたる髪

……

道端の中年の浮浪者と目が合って

僕と彼は似ていると思う夕暮

……

Deep StateとTrumpの

闘いを眺める今日この頃

……

蜘蛛だと思われ潰される哀れな埃

……

三島の影に侵されて日本刀持つ国民達

……

いつも隣に座るのはくたびれた顔の中年なり

……

好青年の恩師の隣に美女が座る時の微笑ましさ

2025年5月17日公開

作品集『人間賛歌』第59話 (全66話)

© 2025 山雪翔太

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