サティスファクションセンター

サティスファクションセンター(第2話)

眞山大知

小説

20,028文字

『地球上すべての顧客の満足――サティスファクションに貢献する』というミッションを掲げる超巨大eコマース企業・ヘルメス。ヘルメスの日本法人に勤めるエンジニア・音羽芽衣は、東アジア最大を誇る物流倉庫・小田原サティスファクションセンターで働きながら人生に迷いだす――。運命に立ち向かうバリキャリの破滅劇!

夜中、咲夜の布団で目を覚ました。いたるところにコンドームが転がっている。立ち上がる。腰が痛い。全裸のまま立ち上がってトイレに行こうとすると、足元になにかが落ちていた。月明かりが窓から差しこむ。そのなにかをよく見ると、戸籍謄本だった。

咲夜は小田原に引っ越してきたばかりといっていた。なにかの事情で戸籍謄本を取ったのだろう。見てはいけないとおもったが、好奇心が勝ってしまう。

拾い上げて、戸籍謄本を読む。咲夜の本名は奈良坂音彦で、本籍地は青森県。

だが、父の欄に目を移したとき、わたしは衝撃のあまり、叫びそうになった。

絶対存在してならない名前が、そこにあった。

 

2024年5月1日公開

作品集『サティスファクションセンター』最終話 (全2話)

サティスファクションセンター

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© 2024 眞山大知

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