サティスファクションセンター

サティスファクションセンター(第2話)

眞山大知

小説

20,028文字

『地球上すべての顧客の満足――サティスファクションに貢献する』というミッションを掲げる超巨大eコマース企業・ヘルメス。ヘルメスの日本法人に勤めるエンジニア・音羽芽衣は、東アジア最大を誇る物流倉庫・小田原サティスファクションセンターで働きながら人生に迷いだす――。運命に立ち向かうバリキャリの破滅劇!

いったいなぜ沖宮が小田原にいたのか。なぜ沖宮は軽井沢にいたといまも嘘をついているのか。沖宮は美羽の死の真相を知っているかもしれない。あの日、沖宮が本当に軽井沢にいたのか。高校の他の同級生に聞こうと思ったが、下手に感づかれたらいけない。慎重に捜査を進めないといけない。

月曜日。頭のなかでプランニングをしながらテクニカルセンターに出社すると、朝川部長から突然、会議室に呼ばれた。八人しか入らない、六畳ほどの小さな会議室はブラインドの隙間から直射日光が痛いほど差しこむ。

「いやあ、暑いね」

朝川部長はハンカチで顔を拭った。

「わたしは嫌ですよ。晴れの日は受注数が減って、無駄な緑が暇を持て余して倉庫で休んでるんですよ。稼働率が下がる」

悪態をつく。おそらく、今日の話はあまりよくない類のものだろう。有利な条件に持ちこむために先に朝川部長を牽制する。社会人が生き残るためには腹芸の能力が必須だ。

2024年5月1日公開

作品集『サティスファクションセンター』最終話 (全2話)

サティスファクションセンター

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© 2024 眞山大知

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