サティスファクションセンター

サティスファクションセンター(第2話)

眞山大知

小説

20,028文字

『地球上すべての顧客の満足――サティスファクションに貢献する』というミッションを掲げる超巨大eコマース企業・ヘルメス。ヘルメスの日本法人に勤めるエンジニア・音羽芽衣は、東アジア最大を誇る物流倉庫・小田原サティスファクションセンターで働きながら人生に迷いだす――。運命に立ち向かうバリキャリの破滅劇!

万事休す。だが、まだやることがあった。

翌朝、出勤。仮病を使って休み、急遽、羽田から佐賀に飛んだ。

田んぼに囲まれた、佐賀のサティスファクションセンターについたのは昼過ぎだった。西日本最大のサティスファクションセンターだが、小田原よりは規模がわずかに小さい。

勤怠管理システムにログが残らないよう、リサイクルセンターで沖宮に待ち合わせた。

「なんだよ、仮病使ってまでやってきて」

やってきた沖宮は心底迷惑そうな顔をしていた。

「ねえ、わたし、本当のことを知りたいの。美羽が失踪した日、あんた、小田原にいたよね」

2024年5月1日公開

作品集『サティスファクションセンター』最終話 (全2話)

サティスファクションセンター

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© 2024 眞山大知

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