工場

白城マヒロ

小説

15,672文字

文藝短編部門の応募要項を勘違いして書いたすばらしい作品です。是非読んでみてください。

 人形が崩れる音を聞いたのはいつぶりだろうか。陶器がぎゃしゃーんと割れる音、散らばった破片がカンカンと周りの未完成品たちにあたっていく音は、久しぶりに聞くと小気味よいと思ってしまう。しかしそのあとに待っているのは、ベルトコンベアに取り付けてある警報器が監督にめがけて鳴らす単調な信号音と、それとは別に部屋中に響く耳の奥から頭のなかをほじくり回すようなモスキート音に近いハウリングした異常な高音だ。これは次の失敗を「予防」するための警告音らしい。
 以前、同じ部屋でチームとして扱われていたひとりはその音を聞いてすぐに嘔吐し、手を滑らせてしまったせいでまた人形を壊してしまい、そのループに陥ったあげく涙と吐瀉物を垂らしながら人形に手をつけてさらに人形を汚してしまったせいで、監督にどこかへ連れて行かれた。その次に彼の姿を見たのは配給された昼食を終えたあとのトイレで鉢合わせたときだったけれど、定まらない目つきで常にえへえへと笑いながら便器とはまったく違うほうへ用を足していた。以降、彼を見かけたことはない。
 こういうときできるのは、「手を止めるな」と叫ぶことで、相手がそれに従ってくれれば監督がじきに部屋に入ってくるまでに音は止んでくれる。そう、手を止めないこと。動きつづけること。それが一番大事だ。新しく部屋に迎えられた彼女にも、なにがあっても、どんなミスをしても、手を止めないこと、動きつづけることが一番大事だと伝えてあった。そして彼女がそれを守ってくれたおかげで、今回の失敗はひとつの人形だけですんだ。

 終業の鐘が鳴ってそれぞれの部屋へ戻るとき、新人の彼女は僕らに「ごめんなさい」と声をかけてきた。本来、終業後にほかの労働者と会話をすることはここでは好まれていない。気にすることはないと、僕ももうひとりの女性も言った。ミスをしても手を止めないことと、人形だけじゃなくて自分の頭まで壊れないように気をつけること、それを守ってくれただけで十分だ、と。

 朝は五時に起きることになっている。それからすぐに朝食としてサンドウィッチとポタージュスープ。朝食はドアに取り付けられた配膳用の隙間から渡される。五時四十五分には一日のノルマを確認する、つまり人形の数、どんな顔の作りか、スタイルは、肌の色は、どんな服を着ることになっているか、そうした情報を受け取って頭に詰め込まないといけない。覚えている限りひとつとして同じ人形を作ったことはない。ほとんど人間と区別のつかないそれは美醜問わず、男女問わず作られる。そして六時にはそれぞれの部屋に行き、三人ひと組で作業にあたる。作業は十二時までに六時間、昼食を食べて疲れを休め、一三時から一九時までの六時間。作業が終わるとすぐに、自分たちの部屋に戻るように言われる。
 ひとり一部屋、ベッドとテーブルとユニットバス付き。それははじめ、せいぜい部屋にいるあいだだけでもリラックスさせてくれる心遣いかと思っていたけれど、どうやらそうではなく、労働者同士の交流を極力断ち切るための策のようだった。
 もう長年の古株とは言わないまでも、ここにいる人たちの移り変わりは激しいせいで、古参のひとりになってしまった。とはいっても、ここにはまだニ年ほどしかいない。ただ、ニ年も持つほうがめずらしい、というのが実態のようだ。だいたいの労働者が、人形のように小気味よい音を立てながらではなく、かつて同じチームで働いた彼のように、内部からぼろぼろと壊れていくらしい。

 ここに入るのはとても簡単。身分証も要らなければ、面接といえる面接もなく、ここで出会ったひとたちから考えるにおそらく誰でも採用される。
 そして、ここから出る方法は、壊れてしまう以外にはいまのところ聞いていない。

 長く過ごすほど、ここで働くひとたちは話すことに飢えてくる。昼休みのわずかな時間を、休息ではなく口を動かすことに使いたがる。はじめはここでの仕事の無意味さ、そして自分たちへの扱いについて。それをもうなんべんも繰り返すと、次は自分がここに来るまでになにをしていたかについて。その話はここでの仕事の倍以上は繰り返される。みんな自分が何者だったか、どうしてここに来たのか、忘れかけてしまいそうになるのを必死に食い止めようとしているように。そしてついには、自分の名前を、たったひとつの自分の名前を、知ってほしいと願うのだ。
 
 ここで過ごすにあたって、まず与えられるのは番号だ。それは個人の部屋と対応し、割り振られる仕事表と対応し、監督たちから呼ばれる名称と対応する。
「おれは囚人じゃないんだぞ」と新参者が声を荒げる。監督は落ちついてくださいと言う。なにも囚人だなんて思っていないと。だれがそんなことを言いましたか、そんな扱いをしましたか?違うでしょう。それにあなたは自分からここに来た。これは効率化ですよ。監督は笑いかける。数年来の友人のように新参者のひとりの肩に手をまわす。ただ、便利じゃないですか。いまからここにいる百人近くの名前を、あなたは覚えられますか?自分の部屋が何番だったか、自分が次にどこに配属されるのかを確認するためのリストの番号を、いちいち覚えるのはめんどうじゃないですか?効率化ですよ、ちょっと物事を簡単にしただけです。わかってくれますよね?
「たしかにな。覚えるのがすくないのはいいことかもしれない」新参者はうなずく。「そうだな、おれは百八四番だ。いやよ、ってのも覚えやすい。嫌よ嫌よも好きのうちってな」そうしてまたひとつ、番号が増える。

 作業のコツは、ただ無心になることと、手を止めないこと、この二つだと考えている。正直なところ、こうして番号をあてがわれる労働者には人形を作るのに昔テレビで観た町工場の職人のような精密な技術は必要ない。真っ白な陶器はすでにそれぞれのパーツに分解された形で、顔なんかは死人に小麦粉をぶちまけてしまったように本物そっくりに、ベルトコンベアから流れてくる。この上流にいるのはおそらく監督か、または専門の職人かだろう。ベルトコンベアは鉄製のカバーに覆われていて、人形のやりとりをする部分だけカバーが開く仕組みになっている。こちらの仕事は単に、開いたカバー部分から取り出したパーツを指示どおりに接着剤で組み合わせてその接合面をヤスリで磨いたり、用意された塗料で色を塗っていくだけだ。それらははじめに、どこかのホテルと工場をくっつけたような施設で、三ヶ月かけて教えられる。接着剤がどういう仕組みでふたつのものをくっつけるかから、筆の動かし方、スプレー缶の使い方まで優しく丁寧に。それが終わると、この施設に移送されて番号を与えられ、さぁ実践だ、ということになる。
 この施設のことはホテルではなにも教わらないから、はじめは三人ひと組で作業をするやり方から学ばないといけない。いちばん長く務めている者が自分の経験から効率的な方法を考えて役割をふる。二九五番は細かなパーツの溶接を、一〇三番は手が空いているあいだに全体にスプレーを、それから自分が細部の塗装とヤスリがけを、最後に全員で組み立てを、といった具合に。
 一〇三番と僕はチームになって半年ほど経つ。彼女がどれくらいここにいるのかは知らないけれど、なかなか良い手際をしていて安心できる。二九五番がミスをしたときも、彼女は慌てずに、手を怪我するから破片を拾おうとしないで、と言って淡々と手を動かしつづけていた。手を怪我すると明日の作業ができなくなっちゃうよ、と。
 こうして、硬直した人間とまったく見分けのつかない人形ができあがる。性器までが精密につくられているそれに、最後に指定された服を着せて一体完成。ノルマの数までこなすころには大抵十九時になる。
 それを流したベルトコンベアの先がどこにつながっていてどうなっているのか、人形がなんのために作られているのかは、誰も知らないようだった。

 ある日、めずらしく、それは本当にめずらしいことで、この二年間で一回しかなかったことなのだけれども、終業後に監督のひとりが部屋のドアをノックしてきて、鍵を開けると中に入ってきた。
「きみはすばらしいですよ」監督は言った。「なにしろ五番ですからね、もうきみがここに来てから二年と三ヶ月くらいになりますか」
 イスを譲って床に座ろうとすると、監督は目配せをしてベッドに隣り合って腰掛けるよう促した。いまにも互いに缶ビールやウイスキーを取り出して杯を乾かすか、ひとつの煙草に火をつけて交互に吸うほど親密な仲のように彼は振る舞った。
「きみ、きっともうすこしですよ」彼は言った。
「なにかあるんでしょうか」
「きみを五番なんて呼び名にしておくのはもったいないと、わたしたちは時々話し合ったりするんですよ。だからきみ、もうすこしですよ」そう言って彼は部屋を出て行った。
 五番という呼び名にしておくのはもったいないとは、どういう意味だろうか。違う名を与えられるのか、もとの名で呼ばれるのか。それはどういうことだろう。
 もうすこしですよ、と彼は言った。もうすこしですよ。

 もうすこしだ、と思ったのは、肩と太ももを露出したキャミソール姿のまま冬の朝四時に夜の街での仕事から戻ってきた彼女が、僕に助手席に乗るように頼んで、そのレンタカーでどこでもないどこかへ向かって走っているときだった。地図のうえに目的地はなかった。ただ、僕はその前からもうずっと行き着くところへ行き着いているような状態だった。彼女もついにそこへ至ったのだろうと思った。街を抜けて、ヘッドライトの先に隣県の交通標識を見かけることになっても、まだ陽は昇らなかった。暗闇のなか、どこに行くでもなく走りつづけた車は、空がかすかに白み始めてくるころには、どこかの海のそばを走っていた。誘うように海が黒く波打っているのがわかった。もうすこしだ、と思った。彼女もそう思ったに違いない。彼女はそのまま車を海にめがけて、海中にめがけて走らせた。
 病院で目が覚めたとき彼女はいなかった。彼女の居場所は聞かなかった。目を覚ましたことに気がついた看護師たちも、呼ばれて登場した医者も、彼女についてなにも言わなかった。身体に潮の匂いが染みついている気がした。いまも彼女のことを知らないままでいる。
 医者が思っているよりもしぶといようだった僕は、目が覚めたその日に、どうせ使えないだろうスマートフォンと財布を持ってそこから逃げた。病院に払える金もなければ、保険とも無縁な状態だったから。そうしてどこまで逃げたのだろう、とりあえず住む場所が必要だと考えたときに運良く見つけたのが、人形工場についてのポスターだった。
 人形工場で働くことに身分証は必要なかったし、衣食住も確保され、規則正しい生活リズムが求められた。さらに、工場には専属の医師がいて、彼はこの数年の精神や生活の状態を聞き出すと、無料で薬を処方してくれた。それから監督によると二年と三ヶ月、ここで働いている。

 知らないままでいることは、希望のひとつだと思える。もし病院で彼女は溺れて助からなかったと聞かされてしまったら、彼女がどこかで幸せに暮らしていることを想像することはできなかっただろう。ここがどうして自分たちを置いているのかも、彼らが自分になにを望んでいるのかも、知ってしまえば壊れてしまった同僚たちのようになってしまうかもしれない。海に突っ込んだ過去はあっても、あたり構わず放尿するようになったり、スープを自分の頭にかけながら火事だ火事だと走り回ったりはしたくなかった。

 二九五番の女の子はあれ以降目立ったミスをしていない。立派に作業に順応しているようだった。ただ、昼食の時間に外を恋しがるようなことをこぼす以外には、ここの生活に慣れて来たようだった。
 ここから出ることを考えたことはなかった。はじめはここの環境がありがたかったから、外に出ることは念頭にもなかった。それから、外に出たがる人たちと出会った。彼ら曰く、週に一度の休みにも外出できない。テレビもないせいで、外の状況がどうなっているのかなにもわからない。本は頼めば渡してもらえるものの、それも許可されたものだけだ、こんなの囚人の生活ではないか、と。
 たしかに娯楽のすくない場所ではある。ただ、この生活はいろいろなことを考えなくてすんだ。しばらくすると、いっしょに車で海に突っ込んだ子のことも忘れかけるか、思い出しても、どこかで元気でやっていてくれれば良いとすこし思うような、そんな気持ちにさせてくれた。
 それに、外に出てもどう生きるかは想像もつかなかった。ここでの生活に収入はない。それは衣食住やその他もろもろを提供してくれる代わりになっている。住み込みの働き口か、代替の家のようなものだ。外に待っている人もいなければ、生活のあてもない自分にとっては問題のないことだった。
 だから、一〇三番が、チームになって半年以上になる彼女が、ここを出ることを持ちかけて来たときには戸惑った。この数ヶ月のあいだになんらかの信頼を得ていたらしい。彼女は終業後の退室時に隣を通り過ぎながらそっとちいさな紙片を手のひらに押し当ててきた。
 夕食のときに、フォークを握る手に紙片を隠してものを口に運びながら何度にも分けてすこしずつ内容を読んだ。それは渡された本の一部を千切った紙に、赤いなにかで書かれていた。ここにはペンはないから、サンドウィッチのケチャップを使ったか、もしかすると血で書いたのかもしれなかった。
 内容は簡潔で、ここを出る案があるからいっしょに出ないか、ということだった。もうすこしで準備ができる、と書いてあった。もし賛同するなら、昼食のときに三回うなずいてほしい、と。
 内容を読み終わると、それをパンといっしょに口に含んで食べた。ケチャップか血、どちらで書かれているのかを確かめたかったわけではなく、これがばれると彼女が厄介な立場に置かれるだろうことを感じたからだ。

 翌日、昼食のときになんのアクションも見せなかったせいか、彼女は失望したのか後悔したのか、すこし不安がっているように見えた。そのいつもと違う調子は二九五番の女の子にも伝わったようで、しきりに体調を気にかけていた。
 だからか、退室時に昨日の彼女と同じやり方で紙を手渡したときには、ちいさな悲鳴をあげて驚いたので、すこし笑ってしまった。
 本を千切った紙に、これもまた本の端を千切って先を尖らせるように丸めたペンもどきにすこしずつ血を染みこませる。これが考えついた方法だった。内容としては、自分の状況と過去のことを、かなりかいつまんで書いた。外に出ても行く場所はないし、外に対してなんの期待も持っていないとは、わざわざ書くまでもなくわかってくれると思う。
 それからの日々、このささやかな文通が続いたせいで、左手の甲にはいつもちいさなカサブタができてしまった。そうしてお互いにわずかずつ、状況を伝えあった。彼女にはなんらかの「あて」があるようだった、そしてそれをこっちの分も確保できるはずだ、と。彼女は二九五番の女の子のことも気にかけているようで、三人でも抜け出せると主張していた。
 あてがあるなら、それはいいことだと思う。けれど、自分はここの生活から離れたとして、次はどこに行くことになるのだろうか。街にでも戻って海に落ちた彼女の消息をたずねてみるのか。誰も知らないどこかで、隠れるように暮らすのだろうか。
 それは、もうすこしで訪れるという、監督の言うなにかよりも、いいことなのだろうか。

 一〇三番の彼女は機会が来るのを待ちながら、毎日淡々と作業をこなしていた。二九五番の女の子もさらにうまく作業がこなせるようになり、昼食のときも外について焦がれたりしなくなった。けれど、彼女は一〇三番の彼女になんらかの親密さを持って接するようになっていて、それは僕にも向けられていた。一〇三番はそれをいさめるようにしながらも微笑んでいて、もしかするとこの二人のあいだにはすでに脱走についての共謀関係があるのかもしれなかった。そして自分もすでに、その一員として認識されているのかもしれない。
 朝の六時に、上流のベルトコンベアから人形が流れてくる。二人はもうどういう指示が出るのか経験で理解していて、言われる前に作業の準備をしつつある。口を閉じたまま真剣そうに、しかしその目はこちらに笑いかけてくる。それから六時間、淡々と人形のパーツに細かく色を塗り、指と手のひらや臀部と脚を接着させていく。
 一時間の昼食を、口数はすくないのになにか安らいだ関係のように微笑んで彼女たちは過ごす。それから、塗装の乾いたパーツを組み合わせながら、接着の際に溶け出した部分や、はみ出た塗装をヤスリで削っていく。すべてのパーツを組み合わせて、二体の人形に指定された服を着せる。固まった生者のような人形を丁寧に、ベルトコンベアの先に流す。彼女たちは黙ったまま、しかし満足そうに、それぞれの部屋に帰っていく。

 そういう日が続いているなかで、休日の一日にまたドアがノックされ、今度は前回の監督と、他にもうひとりの監督、さらにこの施設の専属の医師の三人がドアの前に立っていた。急いで部屋を整えようとすると、監督は部屋から出てついてくるように言った。その前に、服を寝間着から着替えるようにも。言われるがままに従った。どのみちそれ以外に方法はないから。
 医師はすこしためらっているようだった。本当に連れていくんですか、と監督たちに聞いていた。「だいじょうぶですよ。そんなに心配なさらないで」と監督のひとりが医師をなだめた。こちらの不安もなだめて欲しかったけれど、彼らは気にかけてはくれず、どんどん施設のなかを進んでいく。いくつもの番号のついた部屋の前を通りすぎ、見たことのない奥まった部屋のほうへ向かった。すでに彼女たち二人もこの部屋のなかに収容されているのだろうか。どこにでも監視カメラがついていると思って行動するようにと一〇三番の彼女も紙切れのなかに書いていたけれど、本当にどこにでも監視カメラがついていれば、紙のやりとりなどはいつかバレてしまってもしかたがない。
 ドアの前で三人は足を止めた。部屋からは、なにかが割れるような音がかすかに漏れていた。それは一度きりではなく、断続的に響いていた。
「まだ、その時期ではないのですが」と監督のひとりが切りだした。「しかしあなたは、前にもお話ししたとおり、うまくやってくれています。ですが、わたしたちも初めてのことで、手続きをどう進めるのかなどに手間取っている現状でして。ただ、きっとあなたは番号で呼ばれるようなひとではなくなる。それはわかってほしいのです」
「わたしはそれでも、こうした場に彼を連れてくるのはまだ早いと思うのですが」と医師は言った。
 監督は笑いながら首を振った。「わたしは彼を信頼しています。これがいま考えられるわたしなりの誠意です、そしてきっと彼も、わたしたちの誠意に応えてくれる」もうひとりの監督もうなずいて医師の肩に手をやった。そうして、彼はドアに手をかけた。

 はじめに目に飛び込んできたのは黒地の背景に緑色で描かれた「memento mori」の巨大な壁紙と、天井から吊されたピンクのコートに黒いチェックのネクタイの派手な格好の男だった。いや、おそらく人形だろう。ピクリと動きもしないのに、露出している顔や手の血色も非常に良かった。それから落ちついてあたりを見まわすと真っ黒の壁紙の部屋のそこらに同じように様々な人形が、羽ばたく鳥のように吊され浮かんでいたり、睦み合うように隣り合わせに座っていたり、ここが自分の居場所だといわんばかりに大の字に寝そべっていたりして、それらの周りには陶器の破片が敷き詰められた砂利のように散らばっていた。作業靴に履き替えずに寝間着にスリッパのまま来ていたら色とりどりの陶器の破片にさらに真っ赤な色を加えることになっていただろう。
 その部屋の奥からガシャガシャと破片を踏みつけながら歩いてくる音が聞こえてきた。それは片手にゴルフクラブのドライバーを、それもとびきりヘッドの大きく頑丈そうなものを持った、白い毛の多い髪で六十代だと思えるがエネルギッシュさと自信に満ちた貫禄がそれよりももっと若く見せる、スーツ姿の男だった。空色のシャツの上から濃いグレーのスーツを羽織り、きっちりとネイビーのネクタイを締めている。彼が現れると監督たちは頭を下げたので、いっしょに頭を下げた。
「あぁあぁ、そんなに硬くならないで。硬いのはこいつらだけで十分ですよ」と男は言って、監督たちはいやぁどうもと言いながら微笑みかける。
「今回も良い出来だ。最高にバッチリって感じだ、決まってるよ。前回のあの野党の幹事長の憎たらしい表情なんかほんとにそっくりではじめ戸惑ったくらいだ。まずは部屋でワインを注いでやって、それからわかるかな。ウィリアム・バシンスキのレコードを流しながらウイスキーを引っかけたんだ。でもあの人ときたら憎たらしい表情のまま固まってる。あはは、イヤんなっちゃうようね。それでバシンスキのあの高まっていく重低音の最高潮に合わせて壁にガツン、とね。いや、たまらなかった」
 監督たちは満足そうにニコニコとうなずいていた。医師もすこし誇らしげに胸をはっている。
「喜んでいただけてなによりですよ」監督のひとりが言った。「いつもお世話になっておりますからね。昨日も注文の品を三体作ったばかりです。どうでしょう、一つくらいここで楽しんでいかれますか」
「いや、奥で思う存分コイツでやらせてもらったからね」と男はドライバーをぽんぽんと手で叩いて言った。「でも、そうだな。こいつをやってもいいかい」男は吊り下げられたピンクコートの人形をドライバーの先でつついた。人形は首を軸にしてゆらゆらと前後にゆれた。
「もちろん」監督は言って、うしろに下がるよう他のみんなに指示した。それから僕に向かって「よく見ていてください」と言った。「人形もそうですが。特に大臣の表情に注意して」
 大臣と呼ばれた男は、まず前衛芸術を鑑賞するようにゆっくりと人形の周りを歩きまわり、そのピンと伸ばした脚や腰にあてた腕、コートの生地などを触っていた。それから人形の男と正面から向き合い、相手の顔を、その表情からなにかの感情を引き出そうとしているように見えるくらいじっくりと眺めていた。初めて出会う動物同士が相手を観察しているようにも見える。唐突に彼はその顔面めがけてドライバーの先端を振り下ろして粉々に砕き、支えを失った人形の首から下は床に散らばる破片たちのなかに破片となって仲間入りした。中身を失ったコートがぐったりと広がった。
 ドライバーを振り下ろす瞬間の顔と破片を見る顔つきは大違いだった。それを砕く瞬間、彼は遥か祖先の過去から続く仇敵に復讐を遂げるような強い意志に満ちた表情だった。そして床に散らばる破片を見るいまの彼の顔は、なにかの日に訪れた墓地で失った仲間を惜しむような、そんな顔だ。
 それから男は監督たちに礼を言って、「初めて見る顔ですね」とこちらに声をかけ、監督たちが「ええ、見学といったところです」と言うのを聞いてうなずいてドアを開いた。「誰かわたしの人形を注文したりしていないだろうね」と笑いながら去っていった。

 これが彼らが見せてくれた「誠意」だった。医師は僕が動揺し、怒りに震え、狂乱するのを恐れていたようだったけれど、そういう気持ちにはならなかった。とりあえず人形はなんらかの形で使われているようだった。店先に並ぶマネキンであれ、観客席を埋めるために使われるサクラの代わりであれ、女の子がテディベアを抱いて眠るのを見守るドールであれ、なにかの使い道はある。この工場の人形の使い道が、こういうことだった、ということだ。
 監督たちは大きな反応がないという反応に非常に満足したようだった。うれしそうにしながら、特別にあなたもひとつやってみますか、と聞いてくるほどに。「わたしたちもたまにはやってしまいますからね」と彼らは笑った。礼を言って、隣りあって座った人形の片方の顔面を作業靴の底で踏み潰すと、あの小気味よい音が響いた。彼らはそれがよっぽどうれしかったらしく、医師までが笑いながら肩に手をかけてきて、「あなたは貴重な人材だ!」と笑った。
 そうして部屋に戻った僕は、ベッドに転がりながら、ここでの人形作りの日々に文句を垂れていた男たちや、ここから出ようと持ちかける一〇三番の彼女などについて思いを馳せる。
 きっとここから出たところで、安寧の生活というものは手に入れられないだろう。身分証もなにも提示せずとも務められるここには、政府の高官がお得意様として存在するらしい。とすると、民間の工場ではない可能性も十分にある。もしかしたら、ここから逃げ出したところで、あの人形たちのようにグシャリと人生が終わるかもしれない。それでもここでの暮らしが死んでいるのと変わらないと言った男たちの言葉は、半分はあたっているのだろう。殺されるための人形を、ここで緩慢に死へと向かいながら作っているわけだから。
 そして海へと向かってアクセルを踏み込んだ彼女のことを思いだす。それは緩慢ではなく急激な、劇的な死への旅路のようで、でも実のところ、その状況に陥れたものは唐突にではなくビーチの砂浜に身体を埋めるように日々の生活のなかでゆっくりとすこしずつ心を蝕んでいった。だから、彼らの言い分は半分はあたっていると思うけれど、半分は間違っていると思う。

 仕事が終わったあとに彼女から渡された手紙には彼女のかわいらしい計画の全貌が書いてあった。そしてそれを明日実行する、とも。やっぱり、二九五番の女の子ともすでに話を通しているようで、彼女が出した結論は、自分たちが人形の代わりにベルトコンベアの先へと流れていき、おそらくそこで待ち受けているだろう配送業者を殴り倒し、自分たちがトラックを運転して出て行くというものだった。彼女の部屋ではトラックが工場へと来る音が聞こえていて、その日が周期によると明日だという。
 昨日監督たちに見せられたものから考えると、たしかにトラックで運ばれるものもあるけれど、何体かはあの部屋で使われている。もしあの部屋へと向けて運ばれてしまえば、そこではゴルフクラブやバットなどを持った誰かがスイングの練習をして待っていることだろう。
 しかし、彼女のあてというものはたしかそうだった。そのままトラックでしばらく車内泊をつづけてうろうろとしながら、落ちついたころに遠い遠い田舎町にある叔母の家で果樹園の手伝いをするのだという。そこではリンゴが実り、オレンジを収穫し、庭で育てたハーブティーを飲むのだと。もちろん望むなら街へと戻ってもいいし、農園での生活を続けてもいい。それはあなたの自由だ、と彼女はいう。その生活とここでの生活は、いったいどう違うのだろうと考えた。
 僕はその紙を口の中に放り込んだ。

 いつも通り朝五時に目を覚まして朝食を待った。朝食もいつもと変わらずサンドウィッチとポタージュスープ。それから髭を剃り、顔を洗って作業服に着替え、今日のノルマを確認するために部屋を出る。人形は三体。スーツの恰幅が良い男が一体と、ランジェリー姿の若い女の人形が一体、ナイトキャップを被った老婦人の人形が一体。
 作業部屋に行くと、すでに一〇三番と二九五番の彼女たちが待っている。トラックが工場を出るのは一九時を過ぎてから。それまではいつも通りに作業をしながら待機。そう書いていた彼女の顔は緊張で張り詰めていた。二九五番はすでに唇から血色が失われかけて白くなっている。
 六時になりベルトコンベアからバラバラのパーツたちが流れてくる。指示を出すまでもなく、彼女たちは馴染みの作業に取りかかる。まずはスーツの男になるだろうパーツが流れてくる。一〇三番が大まかな体表にスプレーをかけ、二九五番は指などの細かいパーツの溶接を行う。その間に顔にマスキングテープを貼ってスプレーを拭きかける。乾いたら目や唇などの細かい部分に入念に色を塗っていく。
 塗料が完全に乾くまでのあいだに次の人形に取りかかる。次はランジェリー姿の女性。同様に作業をするうちに、午前の終わりを告げるチャイムが鳴り、配給係が昼食を配って出て行った。
 彼女たちの緊張は解けないままでいるようだった。食べるため以外には口を開かず、ただ目だけが必死に、お互いを確認し合っていた。その目はもちろんこちらにも注がれ、その怯える瞳を見ると僕は目を閉じてしまうのだった。

 午後に塗料のすっかり乾いた男を組み立てるとき、二九五番が手を滑らせて男の胴体を地面に落とし、小気味よい音が部屋中に響いた。それから鳴りはじめた耳に百足を突っ込まれるようなうねる高音を聞くうちに彼女は唇だけでなく顔の血の気まで引かせて、その場に立ち尽くし震えはじめた。
「動きを止めるな」僕は大声で言った。「止まるんじゃない」
 それでも彼女は呆然と床に散らばった破片を眺めていた。一〇三番も大声で「代わりのパーツが流れてくるまでもう一体のほうをやるよ」と言っても、彼女は動けずにいた。一〇三番は彼女の代わりになるようにか大急ぎで作業の続きにとりかかったが、何事もないように振る舞おうとするその姿が、余計に何事かがあることを隠せていないように見える。それはこっちがすべてを知っているからだろうか。おそらく取り付けられている監視カメラ越しにはこの部屋の状況はどう見えているのだろう。
 それから監督がやってくるまでのあいだ、二九五番は震えたまま立っていた。監督はこっちに向けてどうしたのだというように眉をあげておどけたような顔をしてみせたあと、彼女に調子を聞いた。
「たしかに失敗は二度目ですが、だれでも二度や三度は失敗するものですよ。なのにどうしてそんなに震えて青ざめて。退室しますか、医師を呼びましょうか」
「いえ、大丈夫です。できます。そう、できます。ただすこしパニックになってしまっただけで、できます、ほんとうに。大丈夫です」
 監督はこちらを見やった。どうしたらいいかわからず、首をかしげた。「いままでは上手くやってくれていました。一〇三番の言葉を信じたいですけれど。作業の分担も決まっていて急には代わりが利かないと思うので」
 監督はうなずいた。
「そうですね、作業を続けてみてやはり調子が悪いようでしたら諦めましょう。あなた、お願いしますよ」そのお願いしますよ、という言葉はこちらに向けられていた。
 監督が出て行くまで頭を下げた。二九五番は震えた手のまま作業に取りかかりはじめた。そんな手ではまた人形を落としてしまうのではないかと思うが、それを指摘するのもためらわれるほど必死な表情だった。
 昼食の時間を終えてしまっているせいで、きっと作業を見る監視の目は厳しくなっているだろうと伝える手段はなかった。いまはもう、ただ黙々と作業をこなす以外にない。それでも彼女たちは本当に決行するのだろうか。そのとき、自分はいったいどうするのだろう。いまになっても自分がどうしたいのかわかっていなかった。
 若い女の人形と老婆の人形をつくりあげているあいだにベルトコンベアからはスーツ姿の男の代わりのパーツが流れてくる。二九五番の手はまだ震えている。その震えている手で、一度壊してしまった男の肩や手をくっつけている。彼女がまた壊してしまうのではないかと気にかかったが、とりあえず無心に作業をつづけるしかなかった。でも、その心配は無用だった。二九五番は震える手で最後まで作業をやり遂げた。
 十九時まであと二十分以上を残したところで人形のノルマを達成し、あとはそれに服を着せてベルトコンベアに流すのか、自分たちが服を着替えてベルトコンベアを流れていくのかを決めるだけだった。僕が見まもるなかで、彼女たちは急いで作業服を脱いで下着姿のまま人形にそれを着せ、人形が着るはずだったランジェリーと老婦人の寝間着を身につけた。それにならって服を着せ替え、ぶかぶかのスーツを何年かぶりに着ると、彼女たちはベルトコンベアに登って仰向けになった。
 僕はベルトコンベアを流すスイッチを押したあと、忘れ物があると言って部屋の隅から割れた陶器の掃除に使う鉄製のモップを取って、ベルトコンベアに乗り込んだ。

 ガタガタという振動の音だけが鳴り響く暗闇のなかで、長い長い時間を過ごした気がした。誰も喋ることはなかった。途中で何回もベルトコンベアは停まり、いくつもの人形が乗せられた。僕はこの建物の構造を思い浮かべながら、こんなに長い時間がかかるものなのか、それともベルトコンベアが動くのがあまりにも遅いのか、どっちもなのか、そんなことを考えていると、先の方から微かに暗い明かりが射してきた。
 ベルトコンベアの先は、幸いなことに屋外に繋がっていた。月の光を浴びるのは久しぶりだった。それは柔らかい青い色に見えて、最後に見た月の光を思いだそうとしたけれど、もう忘れてしまっていた。一〇三番を抱え上げてその質感が陶器の堅さではなく人間の柔らかさであることに驚いて手を離した配達員の頭部を、モップで何度か殴りつけた。そのあいだ、僕の後ろでは受け取り手がいなくなった人形たちがガシャンガシャンと音を立てて割れていった。運転席から降りてきた男も同じように殴りつけると、財布をポケットから抜き取って代わりに運転席に座った。配達員の財布を同じように抜き取った一〇三番に助手席に乗ってもらい、荷台に積むしかないかと思った二九五番は、無理やり助手席の下にうずくまって、ここがいいと言った。それから、僕は車を走らせた。
 すぐに追っ手の車が来ると思い、車道ではない茂みのなかを闇雲に進んだ。どこかのタイミングで車を変えないといけないと話すと、コンビニかどこかで同じように誰かを襲えばいいと一〇三番が言ったので、しっかりした子だと思った。しばらく車を走らせると、どこかの車道に出たのでそのまま道沿いに進んだ。まずは現在地の把握が必要だったけれど、交通標識をしっかりと読み取るためには朝まで待つ必要があるかもしれない。しかたなくそのまま走り続け、いくつかのコンビニやガソリンスタンドを通りすぎた。そのどれにも停まっている車はなかった。
 いまの状態でガソリンスタンドに入るのは運転手の面が割れていた場合危険だと考えたから、このままどこまで進むことができるのかの問題意識は常につきまとった。しかし夜が明けるまで奪えそうな車を見つけることはできなかった。代わりに、白んだ空のおかげで見えた交通標識から、ここから一〇三番の叔母の家までは、少なくとも車で三日はかかることと、この近くに市街地があることがわかり、当面の目標を見つけることができた。
 郊外の一軒家の近くにトラックを停め、家主の帰りを待った。車から降りた女の頭を殴りつけて車を乗り換えると、途中でコンビニに寄ってできるだけの食糧を買い、一〇三番の指示に従って車を走らせる。二九五番ははじめ、トラックの運転手を襲ったときは悲鳴を上げていたものの、女の頭を殴りつけるときには自分たちがしている行為に自覚が出てきたようで、黙ってその光景を見つめていた。
 新しい車にはカーテレビが付いていたおかげで、自分たちのことが取り上げられているか知ることができた。乗り換えてから数時間後には、女性が襲われて車を奪われたことと、この車の車種とナンバープレートが報道されていた。しかし、工場で起きたことについては一切報道されていなかった。
 一時をしのぐためにナンバープレートには泥を塗りつけておいたけれど、バレるのも時間の問題だろう。そうすると、またどこかで車を乗り換え、そうしたことをつづけていかなければならないのだろうか。
 しかしそれも、彼女たちの願望を叶えるためには必要なことだった。僕は何人も殴りつけ、何回も車を乗り換えた。そうして五日目の朝に、車を乗り捨てて歩いて山を越え、ついに一〇三番の叔母の家にたどりついた。

 恐れていたようなことはなにも起きない三ヶ月間だった。あの工場のことやここまでの道中でやってきたことを考えれば、家の前で警官や政府の手が待ち構えていることもありうるし、そうでなくてもそのうち捕まるだろうと考えていたのに、あっけないものだと思ってしまう。彼女たちの名前もここに来て初めて知った。そういえば自分にも名乗る名前があるのだということを、彼女の叔母に会ってから思いだした。
 彼女たちもはじめはいつ捕まるのかと怯えていたものの、いまではすっかりここの生活に馴染んでいる。朝はやく起きることは工場での生活と変わらないものの、庭園で収穫した野菜を食べ、ハーブティーを飲み、叔母が買い出しで持ってきてくれる本などを読んで暮らしている。
 街には出ないものの、近くの村には顔を出し、そこの住人たちに若い子が来たと喜ばれている。僕も男手として雑用を手伝うことが何度かあった。

 そしていま、村に停めてある無人の車に目がつき、ドアに手をかけてみると、それは開いていて、鍵は刺さったままだった。それから僕は村に戻って数日分の食糧を買って、車に乗り込みエンジンをかけた。古いけれどしっかりと整備のされた、長年の愛着を感じさせる車だ。そのまま車を発進させ、いままで通って来た道をひたすら走りつづけた。途中でガソリンスタンドに寄ることにもためらいはなかったけれど、なにも咎められはしなかった。
 四日目の昼、工場の入口にたどり着くと、警備員に車を止められたものの、もともと僕の監督だった人物が工場から現れて中に通してくれた。
「待っていましたよ」彼は言った。「あなたはきっと戻ってくると、わたしたちは思っていたんです。もちろん何人かは不安がっていましたが」
 監督は僕を連れてそのまま工場の中に入っていき、いままで一度も入ることのなかった監督室に通された。
「ごらんなさい!」彼は興奮気味に言った。「我々の言ったとおりだったでしょう!」
 長方形状に並んだテーブルの一番奥に座っていた年輩の男が立ち上がってうなずいた。それから僕のほうへ歩いてきて、一枚の紙を渡してきた。真っ先に、監督就任、という文字が読み取れた。
「きみにやってもらう初めの仕事は、そうだな。一〇三番と二九五番を連れ戻す、というのはどうかな?」彼が言った。
 それは僕じゃなくても、きっとここにいる誰でも、警察にでもすぐに可能なことだった。
「他にはなにかありますか?」
「もちろん。仕事はいくつもある。でも、きみはどうする?」彼は言った。
 僕は自分の手に渡された紙面と、笑顔で僕を見つめている監督たちを見まわした。
「そうですね。どうしましょうか」僕が言うと、部屋の中は笑いで満たされた。

2022年12月31日公開

© 2022 白城マヒロ

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