「昔、僕が学生だった頃、1番仲が良かったヤツの家に遊びに行った時に…」
その人は唐突に語り始めた
「あ…はい」
その人は気の弱そうな白髪のちょっと小太りなおじさんで
「そいつには綺麗なお姉さんがいてさ、ちょっとした恋心ってやつなんだけど…」
きっとこの後に続く言葉って
「君、あの頃のそのお姉さんにそっくりなんだよね」
あ、やっぱり
私が自分の事をお姉さん的ルックスだって、悟ったのは…
「君さ、隣りに住んでいたお姉さんに似てるんだよね」
「…実の姉弟なんだけど、母親が違うから血が繋がってなくてさ、僕本当に姉さんの事好きで…君はその、僕の姉さんにそっくりなんだ」
「中学の頃、教えてもらってた家庭教師の先生に似てんだよねー、年上のさ、ちょっとエロい雰囲気の」
「子供の頃、お菓子をいっぱいくれた、水商売の姉ちゃんに似てるから」
「1番、お姉さんぽかったから」
と、お客さん1人1人のコメントがそう思わせたから。私の写真を見て選んでくれた理由は人それぞれだけど、これだけお姉さん、お姉さんって言われたら、男の人から見た私がどう見えているのかっていう事が嫌でも解る
この人も私に『お姉さんの面影』を求めているんだろうなと感じた
「ある日、そいつの家に遊びに行った時、お姉さんがお風呂に入っててさ、僕はそこでお姉さんが着けてていた下着を見つけてしまうんだよね」
「 … 」
おじさんは私とラブホテルに入ってから、ずっと喋りっぱなしだった
「で、そこで僕は彼女の下着を身に付けてしまいたい衝動にかられちゃって…」
おじさんの息づかいが荒くなってきた
「女性用の下着を着けた僕が、鏡に映った時、僕は勃起して、射精してしまったんだ」
私とおじさんが一緒にいる時間は80分
お店での基本サービスはもちろんしなければならない。だけど、この人…私に何を要求してくるんだろう
「驚いてる?」
驚いてるっていうより、気持ち悪い
「ちょっとだけ…」
おじさんは私の胸をジーッと見ながら、こう言った
「君がつけている下着を僕に着けさせてくれないかな?」
っていうか、この下着自前だし
「えっ…と」
「汚さないようにするからさ」
そういう問題でもないんだけど
「あの…」
「そうだよね、普通こんなおじさん気持ち悪いよね」
どう答えていいか解らなかった
自分の下着をおじさんに着せる?汚さないようにするから?
「私の下着を身に着けるだけで、あなたは気持ちいいんですか?」
「そう!それだけでいいんだよ、僕は!」
おじさんは必死な顔をしていた
私にすがるような目で訴えていた
そのおじさんの必死な形相がとても怖くて、私は俯いてしまった
「じゃぁ…汚さないでくださいね」
不本意なセリフだった
「良かった!ありがとう」
私の目を見て喋ろうとするおじさんの目を私はどうしても見れなくて、また俯いてしまった
「じゃあ、その着けている下着を脱いで、僕に」
そう言って、おじさんは私に手を差し出した
そのおじさんの手は汗でぐっしょりと濡れていた
「 … 」
もうイヤだ、何で私がこんな目に合わなくちゃいけないの
「ありがとう」
私から下着を受け取ったおじさんはゆっくり私のパンティーに足を通した
「やっぱり小さいね」
当たり前だ
それでもおじさんは嬉しそうに楽しそうに鏡に写る自分の姿を見ながら私の下着を着けていった。そして除々に大きくなるおじさんの下半身
「 … 」
『そんなに私の下着を着けられるっていう事が嬉しいんだ』って思ってたら…
私まで濡れてきた
end
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