いつも長いプレイ時間をとって私を指名してくれる人‥
「 ‥ 」
でも最近“この人”に逢うのが辛い
「来たよーいつものおじさん」
「あ‥うん」
「どした?」
「何でもないよ」
お店の中でも有名になる程、毎日のように私を指名してくれる人
だけど‥
「こんにちは」
「‥待ってたよ、さぁ今日も楽しませてもらおうかな」
“この人”はいつも私を‥
「店長、ちょっと相談があるんですけど‥」
「おぉどした?」
「いつも長い時間とる、金髪のおじさんのことなんですけど‥」
「あぁ‥あの親父か、あいつがどした?」
「 ‥ 」
「何かされてんのか?」
店長に相談したところで結論は見えているの
に‥誰かに相談せずにはいられなかったみた
いだ。そして私自身がそうされる事に悦びを
カンジてしまっているという、どうしたらい
いかわからない感情を誰かにぶつけたかったのかも知れない
‥私と“あの人”の秘密であって欲しい
「今日はね君のオナニーしてるところを撮りたいんだ」
店長に相談したらこう言われた
『オプション料って言って金をとれ』
「 ‥ 」
「‥そうだったね、いつも通り君にもお金を支払わなくちゃね」
‥お金はもらっていた、最初から
「ここに置くよ」
お金は“この人”から充分過ぎる程もらって
いた、ここにお金は溢れているのだ
毎日のように私の所に逢いにきてエッチなと
ころを“この人”はデジカメで撮って帰って
いく
「ピンクローターもあるから」
「 ‥ 」
「いやらしいところ魅せてよ」
「 ‥ 」
撮った写真は自分のコレクションにすると随
分前に“この人”は言っていた
でも正直に言ってしまえば不安だった。写真
は残ってしまうから
それに女の子のエッチな写真は商品になって
しまう
‥でも私は“この人”に撮るのを止めてと
中々言い出せずにいた
「そう、その君のいやらしい表情が好きなんだ」
「 ‥ 」
“この人”に撮られることに快感を覚えてし
まうようになっていた
「もっと足をひろげて」
「上目使いでこっちを見て」
「髪をかきあげて」
「‥舌を出して」
セックスしてるわけでも、カラダを愛撫され
てるわけでも舐めまわされてるわけでもない
‥ただ“この人”に撮られているだけ
「いやらしいなぁ‥その表情」
なのにものすごくカンじる
「もっと魅せてよ、僕に」
イってしまいそうになる‥
「‥スキだよ」
「あ‥」
私はイってしまった
ピンクローターの音だけが耳に残る
「僕はね君を撮っているときが1番楽しいんだ」
「 ‥ 」
「‥生きてるって感覚があるんだ」
ピンクローターはまだ動いている
「ちゃんとオプション料とりましたか?」
「あ‥」
ホテルから店に戻ったら店長が心配してくれ
ていたみたいだ
「もう撮るの止めてくださいってちゃんと言
いました」
店長には嘘をついた
私と“あの人”の秘密だから
end
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