未来の世界に意味はなく

名言製造機(自称)

ヘルスメイク前健

小説

376文字

空耳が多い男が頑張るも不発の話です。よろしくお願いいたします。

電信柱の陰から怪しい中年男が登場した。男は突然叫ぶ。
「ハンバーガーショップとコンピュータお婆ちゃんは……随分違うぜぇ?」
それはそうだ。男は続けた。
「鉛筆のHBと芸人のHGは……随分違うぜぇ?」
「ムームードメインとゴーゴーヘブンは……随分違うぜぇ?」

何が言いたいのか分からんので呆然としている俺に、その中年男は言葉を続けた。

「つまりだ! 何を言いたいのかと問われればだ!」
どうやらここまでは無駄な前置きだったらしい。

「パチンコはガチンコでぶつかれってことだよ!」と絶叫して男はたいそう満足そうであった。

俺は「パチンコやらないから分からないね」と返した。事実だから仕方ない。

渾身の作と思われる言葉をにべもなく拒まれた形の哀れ中年男は、最後の力を振り絞って叫んだ。
「ベルサイユの薔薇とエロサイトの罠には気をつけろよ!」

男は去った。……日本の未来は世界が嫌がる。

2022年2月9日公開

© 2022 ヘルスメイク前健

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