****年のフルーツボール(6)

****年のフルーツボール(第6話)

ほろほろ落花生

小説

1,236文字

まわりまわってやっぱり俺ん家かい、とばかりに四つ野を掘り返しにおうちへ戻った高橋ちくわ。敵も味方も入り乱れての、ここほれワンワン。感動の最終回を見逃すな!

****年

何かを予感させるような夏の夜の匂い。遠い野生の(うず)きを感じさせるなまぬるい闇の中、五人の男女がひそやかに笑いさざめいている。

「ガリ、もう少しマジメに掘りなさい」

「せんせ。そんな笑いながら言っても説得力ないから。普通もう死んでるっしょ」

「まあ、とろとろ半生コラーゲンになるまではもう少しかかるでしょう」

「あいつ死んでたら俺たちどーなるんスか」

「お前が実行犯だろ」

「にしても、やっぱちくわさんの家ってほんとヤバイですね。ヒト住めるんですかここ」

「だいたいなんでお前、オレの家知ってんだよ」

「まあいいじゃないスか。細かい話はぜい肉らしくないですよ。四ッ野死んでたら、それはそれでいろいろできるわけだからこのままもうしばらく埋めときましょうか」

2007年8月14日公開

作品集『****年のフルーツボール』最終話 (全6話)

© 2007 ほろほろ落花生

読み終えたらレビューしてください

この作品のタグ

著者

この作者の他の作品

この作者の人気作

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"****年のフルーツボール(6)"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る