****年
何かを予感させるような夏の夜の匂い。遠い野生の疼きを感じさせるなまぬるい闇の中、五人の男女がひそやかに笑いさざめいている。
「ガリ、もう少しマジメに掘りなさい」
「せんせ。そんな笑いながら言っても説得力ないから。普通もう死んでるっしょ」
「まあ、とろとろ半生コラーゲンになるまではもう少しかかるでしょう」
「あいつ死んでたら俺たちどーなるんスか」
「お前が実行犯だろ」
「にしても、やっぱちくわさんの家ってほんとヤバイですね。ヒト住めるんですかここ」
「だいたいなんでお前、オレの家知ってんだよ」
「まあいいじゃないスか。細かい話はぜい肉らしくないですよ。四ッ野死んでたら、それはそれでいろいろできるわけだからこのままもうしばらく埋めときましょうか」
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