会社に行くのをやめた。もっと早くこうすればよかった。
世界はゼロじゃない。ぼくらはゼロだ。なにもない。なにもできない。持っていない。
無職になった「私」は恋人の家に転がり込み、同居生活を始める。すぐに職が見つかるでもなく、無為に時間を過ごしていたのだが……
美しい時代を過ぎて社会人になった「私」ははじめて勤めた会社で天才プログラマーの幹と出会う。
Mの家庭教師として過ごす「ぼく」にとって当時の記憶は圧倒的な色彩を帯びている。
若いころ僕は早く結婚したいと思っていた 家庭を持ってる男って何かカッコイイって、守るモノがあるって何かカッコイイって、思ってたからだ でも今の僕は… 守るモノなんていらないし、守りたくない …そ…
やがて、ひきこもりは書こうと思う。ついに、あのひきこもりが。北千住の河川敷で繰り広げられた社交劇、ついにフィナーレ。
ひきこもりはそれまで一度も働いたことがなかったが、ついに仕事につこうとリヤカーをひきはじめる。
愛するものについて、人は常に語りそこなう。ぼくはMとの出会いについて、ゆっくりと語り始める。
編者による異言――序に代えて
元ジャーナリストのクリボーはなぜかひきこもりに懐く。しかし、出会いがあれば別れがあり、ついにあのタイ人は……
プラネタリウムはきらい。
荒川河川敷でホームレス生活をはじめたひきこもりの元へ、ついにジャーナリストが訪れる。
ひきこもりが河川敷で暮らし始めてから三週間。徐々になじんでいたところ、新たに若きタイ人の存在が浮かび上がる。
●●●あるうち●●●の指す方へ進め。
寛美へ。 君がこの手紙を読んでいる頃、ぼくは姫岡さんを殺していると思う。起きてすぐにこんな手紙を読むのは嫌かもしれないけれど、大事なことが書いてあるから、とりあえず読んでくれ。 クローゼットの上…
学歴マンVS高橋源一郎。
荒川河川敷でホームレスをはじめてひきこもりは、自分が小説家だと嘯きながら彼らを懐柔しようとする。