青春写真

消雲堂

エセー

1,140文字

僕にもあった青春のひとこまです。若気の至りの時期ですね。

東京劇場

1986年(昭和61年)10月に当時の恵比寿factoryで行われた「東京劇場`86」のポスターです。僕も当時、写真のモデルをしてくれた女の子と一緒に参加してました。

この頃の僕は、自分には天才的な写真の才能があるなんてうぬぼれており、カメラや写真撮影の基本もよく知らないのにセミプロ気取りでバシャバシャ写真を撮っていた時期でした。今考えれば非常にこっ恥ずかしいのですが、当時は本当に才能があるなんて勘違いしてました。若気の至りってやつですね。

で、10月5日の日曜日に行われた荒木経惟さんのフォトライブに参加しちゃったんですね。といっても、これは誰でもが写真撮影してもいいってイベントでしたから素人の僕も参加できたのですね。イベントの勢いで脳内覚醒した僕はオリンパスOM-1を2台持って会場を撮りまくりましたが、何を撮ったのか全く覚えていないのです。それに当時のネガとか紙焼きは紆余曲折の半生を送ってきたので1枚も手元に残っていないのです。

このイベントの少し前に週刊「平凡パンチ」の企画で、荒木さんと平凡パンチ投稿者の方々と一緒に上諏訪温泉合宿というのに参加していたし、渋谷で行われたイベントにも参加しており、荒木さんとは面識があったのです。それに僕が使っていたモデルの女の子が荒木さんや平凡パンチの編集部の方に人気があったんで、彼女のおかげで荒木さんたちに近づけたって感じですね(´,,・ω・,,`)

当時は荒木さんの「弟子になりたい」と思っていて、荒木さんのイベントに積極的に参加していたんですよ。元々僕が漫画投稿していた漫画雑誌「ガロ」に荒木さんが「浪漫写真」って写真エッセイ(エセーとも言う)を連載していて、その写真と文章に陶酔しちゃって「弟子になりたい」なんてバカなことを考えちゃったんですね。

結局は弟子になれるはずはありませんでしたが、当時のことは恥ずかしいのもあるけど、凄く良い経験をしたと思っているんですよ。この後もカメラマンになりたい欲求は治まらず、池袋の写真館に勤めて婚礼写真を経験したんです。でもね、修行の厳しさに堪えきれずに3ヶ月で辞めちゃったんですね。

デジカメやスマフォ(スマホのこと)が主流になった今では、写真なんか誰でも撮れちゃうし、つまらなくなっちゃいました。そこにはもう浪漫なんかないんですね。

でもね、誰でも撮れちゃうと思っている割には根本的に写真撮るのが下手だってことが会社を辞めて独立してからよくわかりました。おまけに老眼が酷くなってピント合わせが苦手になって「ヘタクソ」と写真の仕事までなくなってしまったのです。

もうひとつおまけに独立したから持っていた結構なカメラたちを売却しちゃったんです。もうこの時点で僕には写真撮る資格なんかないんですよ。

2015年5月19日公開

© 2015 消雲堂

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"青春写真"へのコメント 2

  • 編集長 | 2015-05-19 11:24

    人に歴史ありですね。

    • 投稿者 | 2015-05-20 10:48

      高橋さん、そうなんです。人それぞれには気が遠くなるほどに長大な人生がありますね。2年前から自分史活用アドバイザーとしてカルチャースクールの講師をしていますが、受講生の皆さんの半生が実に興味深く、すべてが大河小説なんですよ。ありがとうございます。

      著者
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