「ストレスだと思いますよ」
「ストレス…ですか?」
「はい、知らないうちに溜め込んじゃってるんじゃないかな」
「そうですか…」
丸々一ヶ月生理が来なくて、肌の調子が悪く、カラダがだるかった私はかかりつけの婦人科の医師を訪ねた
「 … 」
医師はストレスが原因だと言った
自分では何がストレスになっているのか解らない
「ちょっとお仕事を休んでみたらどうかな?」
だからこの医師の提案に賛成出来なかった
「でも医師、お仕事しないとお金キツいし…
本当にストレスが原因なの?」
「…まぁあんまり無理しない程度にしなさい よ、あなたの仕事はストレスが溜まるお仕事なんだから」
「 … 」
なんでそんなこと言うんだろうって思った
私は今のこの風俗の仕事にストレスをカンジ
たことがなかったから
「とりあえずちょっとお休みしてみなさいよ、ね?」
「…はい」
風俗のお仕事をしていて男の人たちはみんな
私に優しかったし、私はお客様との時間をス
トレスとしてカンジることはなかった…と思
っていた
お仕事を休んで3日目…
「あ…」
生理がきた
「よかった…」
そして除々にカラダのだるさもとれてきて、
顔に出来た吹き出物もなくなっていった
「医師の言ったとおりだ」
私は何とも言えない気持ちだった
前に好きな人以外に触られるのがイヤだとい
って、お店を辞めていった人がいた
やっぱりそういうものなんだろうか?
「体調はいかがですか?元気な顔が見れるのを楽しみに待っています」
店長は毎日連絡をくれる
「お客様たちも待っていますよ」
私を待ってくれてる人がいると毎日毎日、連
絡をくれる
「 … 」
私もお店に行きたいなって思ったりするんだ
けど、お店に行ってお仕事しない方がカラダ
の調子がいい
「どうしたらいいんだろう…」
私はまた医師のところに行くことにした
・
「良かったね、生理きて」
「はい」
「今仕事をお休みしてるんでしょ?」
「はい」
「出来ればこのまま行かない方がいいかも知れないね」
「 … 」
「まぁそれは余計なおせっかいかも知れないけど」
「医師はどうしてそんなこと言うんですか?」
「…あんまりね、風俗の仕事っていうのはよくないと思うんだよ」
「偏見ですか?」
「偏見とかじゃないよ。ただね、あなたには元気な赤ちゃんを産んで欲しいだけ」
「 …?」
「もうそろそろ決まったパートナーを見つけて、僕に妊娠の報告とかして欲しいなぁ」
「 … 」
医師のところに行っても結局何も変わらなかった
携帯電話には店長からのメールが入っていた
「 … 」
私は家に帰って、遅い昼食の準備をしていた
「いただきます」
テレビを観ながら御飯を食べて、洗濯をした
そして何もすることがなくなった私は、何故
かオナニーをしていた
「んっ…」
あのときクリトリスをしつこく舐められて気
持ちよかったことや、全身くまなく舐めまわ
されてカンジてしまったこととかを思い出す
と、私の指は激しく動いた
弄ばれてる自分を思い出して、いやらしい気
分になって…
「イキそう…」
私の足の指を丁寧に舐めてくる初老のあのお
客様を思い出したら…
「あっ…!」
私は店長に「明日出勤します」ってメールし
た
end
"日常。(50)"へのコメント 0件