かすかに 太陽が降るような
上空の風が強いのか
陽が差しては 陰る
そんな午前
笑顔こそないけれど
そこには 穏やかな空気が流れていた
そう 思っていたのは自分
ただならぬ緊張感と抑制が
渦巻く 午前
そんなものはすぐに
たった一言で崩れ去る!
数多くの手が 砂の城を支えていた
隙間なく
正しく歩める人の手が
そこに 感情など必要ない
しかし 気持ちが最重要
曇り始めたこの空は
「お前の逃げ場はどこにもないぞ」と
大きな顔で見つめている
自分の居場所はいつからか
随分まえから 無いような
胸の痣が気になり始め
掻き毟る
そこに意思は ない
それは 自分の積み上げた城ではない
知らない人のもの
そのはずなのに いまいち自信が持てない
いつの間にか周りには 水溜まりが出来
今 はじめて雨が降っていたことに気付く
雨で砂は固まるだろうか
どろどろと 流れていくのだろうか
自分と 自分以外の方向へ
こちらには自分の涙だけ
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