#2016
NovelJam。
たった2日間で短編小説を書き、編集し、校正し、製本(電子的に)して、発売してしまう。
そんな狂気のイベントが都内某所で行われた。
あの2日間は一体なんだったのだろう。
遅ればせながらぼくも記憶の封印を解き、記録を残しておこうと思う。
この話、どこで書こうかしばらく考えていたのだけど、やっぱり破滅派がいいなと気づいたので、
早速書き出した次第である。
鷹野凌が、このような企画を温めているというのは、実は結構前から聞いていた。
そして楽しみにしていた。当初は2016年末には開催したいという意向だったはずだが、
実際に行われたのは2017年2月だった。
おそらくは「年末は集客ヤバくね?」的な議論が行われて、2月という比較的シーズンオフなタイミングに決まったのではないかと、勝手に考えている。
なので、11月に公式発表があったとき、企画自体にはさほど驚かなかった。
驚いたのは「2日間」という開催期間だ。
ぼくはてっきり2、3時間のワークショップかなんかで、1000文字ぐらいのショートショートショートを書いて、取りまとめて1冊にして出すぜ、ぐらいのものを想像していたからだ。
2日間。
ロックフェスかよ!
何書いてやろうか!
と、にわかに血が滾ったところで、1通の秘密のメッセージが届いた。
そこには特に前段などもなく、シンプルに。
「編集枠でぜひ」
とだけ書かれていた。
編集枠。当時、ぼくもなんだかんだで編集歴かれこれ24年ほどであったがそんな奇妙な言葉は聞いたことがなかった。
ノベルジャムの募集要項を確認する。
20人の作家と、10人の編集者を2人+1人の3人チームにして競い合う、とかなんとか書かれていた。
編集……。ぼくの非合法作家歴は2年である。まだまだひよっこ。もちろんノンタイトルである。
しかし、そこそこ鍛錬した編集テクニックを擁すれば、少しは目立てるかもしれない。
とここまで3秒で脳内処理し、
「あ、はい」
と返事をした。そして応募要項を埋め、その日のうちにノベルジャムへの参加表明を行ったのであるが、おそらく編集枠としては一番乗りだったはずである。
申込フォームを送ったものの、知らない人たちの中でたった一人ぼっちでは当日心細いということで何人か巻き込むことを思いついた。
普段からお世話になっている編プロの社員のAさん。確か文芸に興味があるとか言っていたし、実用書編集の腕は一流なので大丈夫だろう。実用書系の底力を誇示するチャンスでもある。とりあえずメッセージを送っておいた。
また、普段からお世話になっているベテランライターのF氏にも声をかけてみた。とにかく器用でなんでもできそうだし、電子雑誌の主宰もやっているのでなんでもこなすだろう。ということで誘ってみたが、ともかくスケジュールパンパンの人なので、実際に参加できるかどうかはわからないだろう。案の定、興味はあるが、出れるかわかんないと返答があった。
そして、ここ破滅派でお世話になっている我が敬愛するT先生にも声をかけた。SS合評4がなかなか開催されない今、彼と遊べる機会はなかなかないので、とりあえず声をかけてみた。一応編集経験者という条件はあったが、破滅派主宰で同人誌を何冊も出しているから経験は十分だろう。それになにより彼のポテンシャルをもってすれば、どうとでも料理するはずだと思われた。ただ、彼もまた多忙人の一人である。実際に出場できるかどうかは五分五分だろう。誘ってみたところ、興味はあるという返事だったのであとは任せておいた。
結果として、これらの御三方は、我がライバルとして当日現れることとなる。いやあ楽しいわー。
つづく
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