2年目から新設されたギミックは、チームビルドの他に、デザイナー枠の採用がある。
昨年はイラストレーター松野美穂さんが率いるデザイン班五人衆がわずか二日(実質20時間程度?)で、17点の表紙画像を作り上げたわけだが、
(松野さんは「実況松」などのアカウントでツィートしている人だ。1年目の参加者は「誰?」って思ってると思うけど、ノベルジャムの応援団長的なご意見番のような人なので知っておこう!)今年は各チームに1人ずつ専属デザイナーを配置して、2作品づつ面倒をみようということになった。
昨年の神業と並ぶ表紙が作れるのか、という不安はもちろんあるが、毎年ボランティアでお願いするわけにもいかないし、運営が正当な報酬を用意することなどさらに不可能だ。志願兵を募るという方法は正しい選択といえよう。
でまあ、とあるやんごとなきお方から勅命を受けて、いちデザイナーということでのこのこやってきたわけである。
一応下調べはしてある。編集との組み合わせもわかったので、それを踏まえながらライバルを紹介してみよう。
ちなみに一方的に浅く調べてのことなので、情報はまったく不正確かつ不十分である。あくまでぼくが主観的にどう思っていたかにすぎないことを先にお断りしておく。
Twitterなどで苦情は受け付けるが、詳しいことはご自身で参戦記を起こして広く伝えていただきたい。
Aの山家さんは、本職のエディトリアルデザイナーだ。
実用書畑の人で、古巣にいればこのあとすぐにお仕事のオファーをしているかもしれないぐらいに、ぼくのお仕事には密接な関係がある方面。
装備、その他、だいたい読める。もちろん強敵だ。かなりの。
小野寺ちゃんとの相性はおそらく良いだろう。ビジネスレベルのクオリティがボトムラインとなるだろう。
Cチームの杉浦さんも本職の広告系デザイナーだ。山家さん同様、Adobe、モリパスは標準装備。
だが詳しいことはよくわからない。おそらく正規の教育をうけているだろうから、要注意である。
Dのハギヨシさんには、古海あいこさんがついた。イラストレーターだ。
このNovelJamで絵師属性の方が強いのは、内容に合わせた絵を用意できることだ。
内容と画風がマッチしたら、それは強力極まりない。ただ、絵のタッチと噛み合わない場合、それは苦戦を強いられるという諸刃の剣でもある。
どこまでの引き出しを持っているか、で勝敗は決すると予想した。
しかし世の中にはどんな絵柄でも自由自在という超人が存在する。過去ぼくが仕事を依頼してきたのもそのような方々だ。
そして、このチームの編集はビジュアルに強いはずだ。さて、どうなるか。ここも目が離せない。
Eの藤沢チヒロさんもイラストレーターだ。
D同様、内容とのマッチングが肝になると思われる。チームがどういう組み合わせになっているかは、遠くからはわからない。
Fはw.okadaさん。イラストレーターというより絵描き、というのが事前調査で得られた情報だ。
文芸書の表紙と絵画の相性はもちろん良い。仕上がりスピード次第だが、どう展開するだろうか。
編集のタニケイさんはベテランなので、スケジュール管理がうまそうだ。
きっちり仕上げてくると思っておいた方がいいだろう。
Gはギター作家澤俊之氏。昨年優秀賞を獲得したレジェンドだ。
それが、なぜ?
本人曰く、えいやっと3部門で応募したらデザイナー部門での出場が決まった。とのこと。
何言ってるかわかんない。
しかも油絵道具とギターを担いでやってきたらしい。
油絵習ってるのは聞いてたけどさー。まじかー。どうすんだー。
まあ、大丈夫だとは思うが・・・澤さんのことだから何を仕掛けてくるか油断がならない。
味方だと心強いが、敵だとこんなに不気味なのか。おそろしい子(白目
Hは確か漫画家の・・・あれ?
違う。誰? 嶋田佳奈子さん・・・?
θさんは山田しいたという名前で作家参加になっている。
ありゃりゃ。事前調査がまったく機能してないぞ!
ちょっと遠くてどういう方かわからない。イラストレーターなのか、デザイナーなのか。
(あとでデザイナーさんだとわかりました。ベテランの)
やっばいなー。展開が読めないぞー。
仕方がない。いずれにしても自分のできることをやるしかないのだ。
チームのメンバーは、ぼくが本来は編集であって、本職の絵かきやデザイナーではないということで、不安げにしている(ように見える)。
とりあえずポートフォリオを提示。https://hassac.myportfolio.com/
多少のものは作れることを説明したら、少し安心してくれたようだ。
ひとまず、ブレストをしましょうと言うことで、4人で雑談が始まった。
気がつくと、結構しゃべっている。昨年出場経験があるということで、意見をすることが多い流れだ。
ぼくは明らかに担当編集の職域を冒していた。キックオフがこれではまずいと思った。
しかし、うっかりその流れにしてしまったせいで、なかなか軌道修正はできなかった。
リーダーの野崎さんがどう感じているか非常に気になったが、まったく嫌な顔をせず話を聞いてくれている。
しかし、作家2人もこっちをむいて話すようになると、それはそれでおかしなことになる。
というところで三木さんのセミナーが始まった。
序盤でドキリとさせられた。
「私が編集なら、まず、デザイナーさんを遠ざけますね。船頭は二人いらない」
ギャー! あなた見てたんですか! その通りなんです。
その先の三木さんの話はわりと昨年ぼくがやったことが多く、間違ってなかったなーと安心できた。
まあ、去年も同じ話を聞いてからおっぱじめたわけなんで、当然なんですけどね。
その後食事を済ませて、プロットシンキングタイムになった。
食事中に取り引き先からメールが。ちょっと急ぎたいということだった。
元々会期中に仕事を進めなければならないのは予定していたが、ちょうどいいので前倒しにして、それを口実にプロット会議から距離を取ることにした。
なので、2人のプロットアップには全く関与していない。
これが本来の職域である。ああ、よかった。
しかし、DTPの仕事は1時間ほどで終わってしまった。
かといって、また割り込んだのでは意味がない。
ふーむ。
ひまつぶしになんか書き物でもしようかな。
えいえい。
書き上げたあたりでちょうど今日の作業時間を終えた。
今日のところは撤収である。
デザイナーって、ヒマだな。
つづく
"#noveljam 2018から新設されたデザイナー枠は、前代未聞の異種格闘技戦だった"へのコメント 0件