005 サンタクローズが去った朝に

夕闇通り七番街、店名は「深淵」でス。(第6話)

七曲カドニウム

357文字

 

 

髭面の聖者が街から去った日
すすとリボンの切れ端が転々と
街灯の光線が朝焼けに同化する頃に
僕は歩道橋の上から赤色の点滅信号をいつもの様に眺めていた

 

世界はまだストップモーション
(とぼけた色彩搖れるムーヴメントが始点で)

 

黒猫がひっそりと密に横断歩道を横切った
足音は立てずに静かなる闊歩
白線の淵なぞって確固たる輪郭を描き出す
ぴょんぴょん跳ねる筆先
問いかける輪は拡大し血の波紋が纏うよ
どくどくと毒々と反響しあい

 

アチラ側の彼岸コチラ側の悲願
コチラ側の詭謀アチラ側の祈望 とを

 

延々と紡ぐ

 

世界が動き出す始まりに
(始点は冩した終点に繋がる)

 

一匹と対峙した変哲もない日常の物語
たかだか5分くらいの出来事である

 

 

 

2019年12月2日公開

作品集『夕闇通り七番街、店名は「深淵」でス。』第6話 (全7話)

© 2019 七曲カドニウム

読み終えたらレビューしてください

この作品のタグ

著者

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"005 サンタクローズが去った朝に"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る