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ゆすらうめ鉱

ゆすらうめ鉱(第2話)

ほろほろ落花生

あまずっぱい放射性物質が人類の存在そのものを改変する。
というようなことがあってもいいかもしれません。

1,165文字

RGBα

 

きまじめな職人が精製した

クリスタルアンゼリカの倒木に斧を入れ

 

そらが瑠璃貝色の驟雨をつめたく降らすとき

ビーカーをさしだしてすこし留め

 

岩盤にはしるゆすらうめの細い鉱脈から

ひっそりと採掘する

 

ぼくたちはそれら素材の波長を計測し

漉しだし紡ぎ

曖昧で個人的な光源となした

 

投射される色彩は水源となり

混じられて

あたらしいスペクトルをうみだす

 

恒星と地核に届くふかい浸潤は

虹を蝕し

理と記憶を反転させた

 

いつかそのゆめは地上におかされて

いつか君のまなこが白濁したように

 

現実でないものはひきちぎられる

 

ひびわれたアンゼリカ

瑠璃貝の褪色をふせぐ手立てはない

© 2015 ほろほろ落花生 ( 2015年9月2日公開

作品集『ゆすらうめ鉱』第2話 (全3話)

ゆすらうめ鉱

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