『 水 の 大 陸 』 … ヤツリーダムの物語 …

合評会2023年03月応募作品

霧樹 里守 ( Risu-KIRIGI )

小説

18,900文字

     ◇

上古にありし神界《センサリティヤ》。
若き神々により創されし四界の始まりと崩壊。その後。

とりのこされた《泥球界》の底を、

這いまわるものたちの、叙事詩。

     ◇

 

 

1-5-1.《白鱗の民》

 

いつの頃からか帝国の海辺に

《白い鱗の一族》が棲みつき、次第に増え始めた。

 

彼らは一見して柔弱温和であり、
海産物と陸産物との交易で富を得て
穏やかに暮らしていたが、

 

その内実は妬心に満ち満ちて
また狡知に長け、

 

《谷》と《帝国》と《碧葉国》の
協和と繁栄をねたみ羨んで憎み、

 

《涙滴大陸》の陸上全土をも
いつか《海族》の版図とせんと、
秘かに謀り、たくらんでいた。

 

 

 

1-5-2.《谷》の焼失。

 

ある代、現帝崩御の報と共に生じた

帝家の後継争いの混乱に乗じ、
一斉に攻め入られて

帝城央都はことごとく灰燼に帰した。

 

《谷》もまた大火が放たれて、乾季の森は炎上し滅した。

 

 

 

1-5-3.《帝国》の復仇

 

《白鱗》の呪師が放たれ、激しい雨風が続き、
《涙滴大陸》の全土は泥濘と共に押し寄せた軍勢に呑まれかけたが、

 

帝家唯一の生き残りであった妾腹の皇子ミアルドが
地方公らを号して軍を立て応戦し、
これをよく防いだ。

 

 

 

1-5-4. 流病と回生。

 

やがて雲が切れ再び乾季の訪れと共に
《白鱗》と《海族》のみが死に至る病が流行り、
騒乱の日々は収まった。

 

復仇の皇子ミアルドが新帝家を築き《再興帝》と呼ばれた。

これより帝国は危難に備え《石の街道》と《石の守護都》の網目を築きあげ、
大陸全土を唯一の《帝軍》にて掌握し、直轄の版図とするに至った。

 

《再興帝》の妾にして初代の女宰相となったディア・レスト=ディアが、
この運営を賢く補佐したと長く帝家訓に語り継がれた。

 

 

2023年3月13日公開 (初出 ( パブー @ デザイン破壊エッグ )他。 

© 2023 霧樹 里守 ( Risu-KIRIGI )

これはの応募作品です。
他の作品ともどもレビューお願いします。

この作品のタグ

著者

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"『 水 の 大 陸 』 … ヤツリーダムの物語 …"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る