昼はハンバーガーをたべたいというので、マクドナルドハンバーガーに仙人をつれていった。仙人は、Tシャツにジーンズといういでたちで、すっかり日本にとけこんでいる。
ぼくと、仙人と、通訳者の男の三人で行った。
あらかじめくるまのなかで仙人のたべたいものをきいておいて、モバイルオーダーで注文した。仙人はビッグマックがたべたいとのことだった。
われわれは四人がけの席についた。うまくたべられるものか、と心配したが、仙人はボロボロとこぼしたりすることなく、まるで手なれたものだった。
「上手ですね」
とぼくが言うと、りちぎにも通訳者が訳してくれて、仙人はなにやらポツポツとつぶやいた。通訳者によると、
「わたしが修行にはいるはるか以前から、ハンバーガーはそんざいします」
とのことだった。つまり、仙人もある時期まではハンバーガーをたべてそだったのだ。
店をでると、仙人はさんぽをしたいと言いだした。駐車料金が気になったが、仙人のやりたいことをさせることにした。
新宿のまちは、ひとであふれかえっていた。仙人が人酔いをしなければよいと思ったが、仙人の足どりはかるい。
ちょっとあるくと、ひとだかりができていた。仙人はつかつかとその人だかりにちかづいていった。
若ものたちが、金髪の男をかこんでいた。わかものたちは、その金髪の男と、写真撮影をしたがっているらしかった。金髪の男に見おぼえがあった。たしか、有名な動画配信者である。
仙人がなにか言った。通訳者は、
「あれはだれですか」
と訳した。
「有名なユーチューバーです。じぶんで動画を撮ってネットにアップロードしていて、とても人気があります」
とぼくはせつめいした。仙人は納得したらしい。
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