そのニュースを見たのは、猫テロリストとの奮闘のさなかだった。パリでテロが起こったのは、1Kにて「あたし」の猫飼い生活がスタートした一週間後だった。
※2017年08月合評会応募作品。 ※厳密な歴史的事象等に基づいていないが(にも関わらず)、爆弾を唯一の拡声器とした、19世紀末のある人々に捧げる。
合評会2017年08月「パリでテロがあった日」応募作。
「私」が大学で出会ったのは、世にも恐ろしい《同好会長殺し》であった――京都大学サークルクラッシュ同好会会誌vol.5.5掲載作品。
ブス・マリアグラツィアはきわめて優秀な女性だったが、容姿についてだけは非常に残念な部類に属していた――「顔」に翻弄されるひとりの人間の生涯を描く、京都大学サークルクラッシュ同好会会誌vol.5掲…
私の過去の話と私を立ち直らせてくれた人々への感謝。破滅派っぽくなけれど、破壊の後の再生として読んでみてください。
フィクションですが、主人公の影が最後は主人公です。
主人公と影ですが、どっちが影か光かわかりません。全体的に馬鹿です。
骨が軋み尿意を催す。僕とあなたの間にずっと流れ続ける。冷蔵庫のハイネケンは冷えてる。誰のものかは忘れた。今僕しかそれを飲む人はいない。
何かしらを裏切っていると、もう裏切っているのか分からなくなる。 何かを満たしたいから裏切っていたはずなのだが。自分の気持ちを満たしたいから背いていたはずなのだが。
作品集『二十四のひとり』収録作。合評会2017年08月(テーマ「パリでテロがあった」)応募作。
ノンフィクション的な何か、リアル連動実験文章 欧州合理的アシンメトリー(CK44A初期型/片目)な異端と、俺と、鈴菌変態仮面
文芸サークル「ともしび」は真面目な活動を重ね、各種文学賞においてかなりの成果をあげていた。しかし超絶美女・麻紀の加入により様相は一変。荒れに荒れる人間関係、失われる童貞、飛び交う精液――「ともし…
NHKや各種書評で紹介され、歴史書としては異例のベストセラーになった野心的な書籍を紹介する。縄文小説の参考になりそうなのは冒頭部だけだが、新しい視座を提供してくれるだろう。
楽園はここまでだ。 老木のように黒い肌をした男が二つの目をてろりとひからせて彼を見た時、タォヤマはつい腹の中でそんなことを思った。 背後の出星系審査官はほがらかな調子ですでに次の相手をしている。…
かすかに 太陽が降るような 上空の風が強いのか 陽が差しては 陰る そんな午前 笑顔こそないけれど そこには 穏やかな空気が流れていた そう 思っていたのは自分 ただならぬ緊張感と…
個人情報の保護が勘違いされたまま行くところまで行き着いた世界にすむぼく。個人情報を守るため、他者と触れ合うことのなかったぼくが人に触れたとき、何を思うのか?