そもそも、安吾が五十歳で他界した時、朝に目覚めて煙草を呑み、新聞を読んでいたら、急に倒れて他界したらしい。佐藤春夫もレディオの収録中に「私の生涯に悔い無しよ」と語っていたら急に倒れて他界した。久保田万太郎の寿司を詰まらせて急逝はちょいダサいが……。
どちらも心筋梗塞なので有ろう。羨ましい急死な文学者の最後だ。
現在。そこまで売れていないが「坂口安吾は全作を読まなきゃ」なる風潮がある。
然し探偵モノとエッセイ以外は全く面白くない。
有名なエッセイであるが安吾先生はヒロポン依存症だった故に伊東から上石神井の子分、檀一雄の家にかくまれる車の中にて木刀を持ち、ギラギラした目をしていていたらしいし、檀一雄の家、離れに住んでいた折、コソコソしていていたらしいがイキナリ「ライスカレー五十人分」と頼み、檀一雄・家族のツケで注文した。完全に気狂いである。
無論、喰えるわけ無いから、檀一雄の子供達に強要した。多分、檀ふみはまだ、産まれて無いくらいか。
要は、往時の文芸界は「作者も気狂いじゃなきゃ駄目!」の世界であり、それに対して私は淡く憧憬する。
安吾の、晩年。ラリって全国を廻り絡みながらも歴史を重んじるエッセイは素晴らしい。
然し私が好きな彼は、晩年の探偵作家としての姿である。白痴とか、どうでも良い。
不連続殺人事件。
犯人の二人が愛し合っててワザと、アリバイ作りの為、殴り合いの喧嘩とかするのだが、私は幼少時代、内田裕也の主演のムービーから学んだ訳であるが、彼の演技がポロポロ過ぎて、開始二分で寝そうになった。
たが然し、坂口安吾の魅力も「クソ、ポロポロだが魅力あるし」で大変、尊敬している。
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