一時間だけのタイムスリップ

小林TKG

エセー

2,622文字

これだけなのに、書くのに一週間かかった。

つい先日、破滅派さんの合評会に出す話を書いてた時の話なんですけども、その時、結構うわあーってなってたんですね私。うわああーって言うのはメンタル的な話です。

「やべえ。早くやらないと。期限来ちゃう。あ、でも、あ、あれも、あ、これも、ああ、あああ、うわああー」

っていう感じ。結構まあ、容量が無いんです。私。CPUもせいぜい3とかじゃないかな。3も無いかな。やりたい事やりたい。やらないといけない事やらないといけない。それとは別に日常生活があって。あれがあってこれがあって。あれ、余裕がない。時間がない。え、あれ、私、今、どうしてこんなに余裕が無いんだろう。ええ、なんで。なんでだ。で、その結果、うわああーってなるんですけど。

その時。

こないだの合評会の話を書いてる時、その、うわああーがもうすぐ近くまで来てたんです。私の。見える距離に。立ってて。かなり接近していて。で、それが私と重なったら、もう、うわああーってなるんです。私は。それで、うわああーってなってどうにもならなくなる訳です。小松左京さんの小説に《影が重なる時》という話がありますけども、まあ、そういう感じだと思ってくださるとわかりやすいのではないかと思います。違うのは手順というか、その道程が逆だという事でしょうか。影が重なる時は、生体、生身の側が、ある決まったポイントに出現した影に重なりに行くんですけど、私のうわああーはあっちが来るのが見える。うわああーが来る。もうすぐ来る。もう来てる。来てる。ああ、もうそこまで。いる。来てる。あれが私に重なったら。

そしたら。

うわああーってなっちゃう、で、うわああーってなったらまあ……パソコンのブルースクリーンみたいなもんですかね。大変なんです。だからまあ、日頃からそうならないように余裕を持った生活をしようと、目指して、心がけているんですけども。現実逃避とかしたり、お話を考えたりして。でも、こないだはちょっと、それも出来ねえくらいの感じで。読書も出来ねえ。っていう感じで。初めて読む本の内容がうまく頭に入ってこない状態で。結構、危なかったかなって。今思うと。合評会の日も勘違いしてましたし。んで、それを回避、とりあえず回避、深刻な状況そのものは変えられないまでも、とりあえず一時的に、自転車操業的だけど、とにかく今、接近しているうわああーを回避するには合評会の話を書けばいい。そしたらとりあえず今、一番近くにいるうわああーを回避できる。って言う時。その時。合評会に話を提出する時。あの時、まあ、家を出る時間が迫ってたんですけども、とにかくそれを済ませようと思ってやってたんです。パソコンに向かってたんです。家を出る一時間前です。これを終わらせて、見直して、提出して、んで、お風呂入って服着て、準備して。早く。早くやらなきゃ。とりあえず最接近しているうわああーを回避するために。時計を気にしながら、やってたんです。何度も時計を見ました。七時半には出ないとって思いながら。七時半まであと一時間。七時半まであと45分。七時になった。七時半まであと30分。それでとにかく、とにかく。あうあう喘ぎながら、終わらせて。お風呂入って、服着て、準備して、パソコンをシャットダウンして、時計を見たんです。七時半でした。もうバス来ちゃう時間で。コクバきちゃう時間帯で。コクバ。国際興業バスが。だから、急いで家を出て。鍵かけて。んで、バス停に急いで。良かったまだバス来てないな。コクバだもんな。2、3分は遅れるからな。それが平常運転だから。って思って、スマホ出して、コクバのバスの運行状況確認画面を見たんです。コクバにはそういうサイトがあるんです。現在のバスの状況が確認できる、あと1分でそちらのバス停にバスが到着します。とか。現在、3つ前のバス停に居ます。5分遅れてます。とか。平常運転です。とか。そういうのがわかるページがあって。で、そこに、平常運転です。って出てきたんですよね。それで、え? って思って。いやいやいや。って。もう3分くらいは遅れてるし。なんで平常運転なんだ。って。平常運転。バス停到着は10分後です。って。はあ? って。何でだよ。って。思って。バス乗って合評会に提出した話を見直して大丈夫か確認するんだよ。って。思って。それから。なんだ、なんかおかしいのかな。って思って。それで、携帯の、スマホの上の所に出てる時間を確認したら、八時半で。それで、えええ? って。いや、さっき家を出る時七時半だったよ。って。でも、八時半で。どう見ても。どう見ても八時半で。家からバス停までは歩いて5分程度の距離です。だから意味わからなくて。家を出る時七時半だったのに。バス停に着いてスマホを見たら八時半になってて。

いやまあ。

お分かりだとは思うでしょうけども。勘違いでしょうよ。私の。どうせ。家出る時七時半だったんでしょ。それを見間違えて七時半だと思ってたんでしょ。子供の頃から思い込みの激しい奴だったもん。こいつ。大人になってそういう部分を矯正しようと頑張って、何事も、何物も、信用しないようにしているけども。でもやっぱり追いつめられたりすると、うわああーが迫ってきたりすると、結局、子供の頃から直ってない、直せてない、直しきれていない、自分の、大嫌いな、そういう部分が出てきちゃって。だから、見間違い、思い違い、思い込み。そういう事でしょう。って。

今は。

思いますけど。でも、その時はそう思いたくなくて。思い込みの激しい。すぐ思い込みする。思い込みしてもう絶対そうだと思っちゃって。そういう自分。子供の頃の私。勝手な私。大嫌いだから。合評会の日も違う日にちだと思い込んじゃって。一度そうだと思ったらもう確認もしない。そういう私。大嫌いだから。私。だから、そう思いたくなくて。一時間タイムスリップしたんだ。って思いました。バス停で。八時半のバス停で。私、タイムスリップしたんだって。家から出た瞬間、アメリカとかでどっかの州からどっかの州に入って、その瞬間一時間時間が進んじゃうみたいに。私、家出た瞬間、一時間だけタイムスリップしたんだ。って。思ったんです。それで、そう思ったら、

なんか。

宇多田さんの曲に、なんかそういうタイトルの歌なかったかなって。思って。調べたんです。八時半のバス停で。

二時間だけのバカンスでした。

二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎でした。

2024年6月3日公開

© 2024 小林TKG

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