arai

1,165文字

ぐんじょうのひかり

ながく子供じみた一等星が奥行きを知らない図式に腰掛け、

どことなく遠忌を見立てるため 捨てたはずの杏をつつく、間際

 

印字されたわたしの体裁、対して張り巡らす包装肢。この樹洞は名残り ふたつの座標軸が交差する。ささやいた幹は触れてもあつくなく、そら、天の川を背に焼き捨て、ただただ慄いている

くるぶし。浅葱色を求め、ざんざんと一筆、書き飲めば独自の香りなり。偽りの緑青だと糸を離れ、速し、所以なく反響する。多く比べると小さい星型の、なんだ 複葉の蕾に黒く、

雪の沙漠の過去に好ましく、最もほころびかけ 残念な七色に千羽鶴は腹黒な印象を軽くつけるため、厚化粧の高さ違いに運が良ければ日陰とみえる。この身の意識は砂の溶岩であり、広げられる朝もやも無理なく。

立ちはだかるなにかは正面に崩れだした 明日こそ滑り、たまり場に置いた日の出、

 

水車小屋にて。ほら、野鳥前年。

 

羽ばたいた平衡は力強く、唯一の柘榴を弾く。癖があり棘あって複雑でおもしろく扱いにくい

この肌に疼く(ひひらぐ)。その反転、そこに誇らしげにあるのか かつて采の目だと俯きがちで呼んでいるのか

ややこも少年も仮想摩擦にそだてられる。ほどいた鍵穴に反射光を流す。齟齬暗号を麻手袋を可視化してもって、深呼吸。無垢な心拍数は残酷にばらつき、

 

感情は――

落ちていたしろい華。

 

是で自白「苞」お別れとは 通りすがりに。

大きくブレた雨が内向きに斜めを置く刻印が

まるで鮮やかな殻を含んだいわゆる原型は

 

微動だにせずに

忽ち

あおくなるから、

こわいの。

 

〝私から愛したい〟手指、皮質で光沢を重ねるため、悪く、また、水孔雀の可溶性『赤・橙・黃・緑・青・藍 ・紫』不当な肩で風を切り耐える基礎だった、秘密は自然と裂けるという。

 

ぽんと投げ込まれた本音を見よ

雨上がりの山につながる凍らない向日葵、戸惑いながら、わたしの瞳にあるものを探し、迷宮、意外なほど 紫燭となり落葉する、麦の穂だけは自由だ

飛び立つ枝でもすればなにも退避タジロがずにあり、万両のガラス玉は濁るのだと知る。触れ合うほど計測不能な雨傘では、今では。無造作に肌の上を滑るだけだ。琉金と突き出した部位、細やかな花終わり 木目地の身丈には違和感の憶え、ぶざまな均衡だろうと戦慄く。

そこら中を弓なりの反り、

〝水の泡よ おもい うかべる〟

語りつくせぬ、虹の性質を象徴とする、光がよれていた。

極秘に至れば、敬遠する、軋轢直後は糸状に伸びる。なめらかだが余命強く 名に反して左右で異なる。またカラクリでもある夢幻泡影。空け染めぬうち 名残はいまや かすかな目交ぜも足を引き摺るよううちがわに取り残された、眩暈にある。

 

また――馴染み薄い。

幾筋のも天涯

ざつおんの骨。縮緬の、羣青のひかり

 

2024年3月3日公開

© 2024 arai

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