麻酔

小林TKG

小説

1,286文字

内さまの小木さんの回を観て、へーそうなんだーって思って書きました。

こないだのさ、破滅派の合評会の日さ。ラジオ英会話の時の回の。

 

あの日さ、私、人間ドックに行ってたんだよね。

 

で、胃カメラを飲むっていうのを人生で初めて体験してたんだ。

 

でさ、胃カメラってやっぱりさ、大変っていうか、相当に苦しいって聞くからさ、当日すごく緊張してたんだよね。それはもう破滅派で初めての合評会に話書いて投げる時くらい緊張してたの。

 

でもさあ、最近ってすごいんだな。

 

「麻酔しますか?」

って聞かれたんだ。看護師さんに。マスクの看護師さん。それだけでもうちょっとエロい。

 

で、麻酔したら苦しくないんですか?って聞いたらさ、大丈夫だと思いますよって。っていうからさ。麻酔してもらったんです。

 

全親知らず伐採してもらった時、麻酔ってしてもらったことあったし。

 

苦しくないんだったら最高じゃないかって思ってさ。

 

で、麻酔してもらって胃カメラ飲んだのよ。

 

で、胃カメラの時の事はもう覚えてない。

 

全然。

 

何も。

 

麻酔でぱっぱらぱーになってたからだと思うんだけど。

 

でも、終わってからさ、胃カメラ終わって、麻酔も切れて、意識を取り戻してから、看護師さんが来てさ、言うのよ。

 

こう言われた。

 

「小林さん、なんか言ってましたよ」

って。

 

え?何、何ですか?

 

「胃カメラ飲んでる時、ずっと、なんか言ってましたよ」

 

え?何て?

 

「えーっと、よかっらーって言ってました」

 

よかっらー?

 

よかったーじゃないかしら?

 

看護師さんはそう言いました。マスクの看護師さん。それだけでなんかエロい看護師さん。

 

「それから、」

 

それから?

 

「オーパーツの話、大体みんな面白かったって言ってくれたからよかったー」

って。

 

言ってましたよって。小林さん。

 

って言われた。

 

「はあ、へえー」

って、何なんですかね?なんて何食わぬ顔で言ったけどさ。

 

超はずかしった。

 

私。

 

腸出るかと思った。

 

超恥ずかしかった。

 

で、家に帰ってからちょっと調べたんですけど、麻酔を打たれた時って、その時一番心配していることが口から出ちゃうんですって。

 

不倫している人はそう言うのが口から出ちゃうし。

 

なんか心配してること、その時凄く心配してる事とかが自分の意思とは関係なく、口から出ちゃうんですって。

 

私の場合は、OPA2の事だったみたい。

 

超恥ずかしかった。

 

それはもう恥ずかしかった。

 

でも私じゃなかったら、それを言ったのが私じゃなかったら、もっと萌的な感じにもなるかもしれないとも思った。

 

モエモエキュンじゃん。そんなの。

 

だから私じゃなかったらなーって。

 

それが私じゃなかったらなー。って。

2022年4月6日公開

© 2022 小林TKG

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