ひらがなが
ぽつんと
のっぱらに 立っている。
「あ」は あめを 見上げ、
「い」は いしころを 蹴飛ばす。
「う」は うつむいて 泣いている。
神様が 作ったのは
世界という おおきな おもちゃ箱。
ぼくらは そのなかで
意味に なるまえの ひかりを あつめる。
おなかが すいたら
「あ」の あたまを すこし かじる。
かなしくなったら
「う」の なみだを シャツで ふく。
生きているということは
記号に なることではない。
ただ
そこに すわって
風の においを かぐことだ。
やがて 夜がきて
文字たちは みんな
まるい 地球の すみに ねむる。
あしたになれば
また あたらしい
「あ」が 生まれる。
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