三 レイチェル・リンド夫人、追い込む
三日目。近隣在住のレイチェル・リンド夫人は孤児院からひきとられたという少女を観察しにカスバート家に出向いた。
「まあまあなんですかその肌の艶は。ずいぶんたのしんだみたいですね」
レイチェル夫人の嫉妬じみひきつれた顔にちょうどお茶の時間だったカスバート兄妹はわかっている人間として二人してしずかに笑った。
「あの娘なら二階にいますよ。最初の汁はわたしたちでトコトン吸い尽くしたから、まあ出涸らしみたいなもんさね」
愉快至極という体で傲然と語るマリラ。
レイチェル夫人は許諾を得てアンという名の少女の自室を訪れた。
天井を見上げたまま、股間を震わせる赤毛の少女がそこにいた。
全裸で放念したまま股をあられなくおっぴろげたその少女の瞳孔に全く色彩はない。生命の灯す光はみられない。
清潔好きのマリラによって敷布は丁寧に取りかえられており、三日にわたる徹底的汚染の形跡はみとめられなかった。
だが時折、思い出したかのようにアンという名の少女が獣のごとき咆哮とともに頭を壁にうちつけてのたうちまわっている事実が兄妹から執拗に加えられた詰問と舌技による暴虐の苛烈さをつぶさに証している。
悶絶のダンス。揺れる赤髪は十一歳の白磁の裸体に映えるものだと賛嘆しつつ鑑賞するレイチェルは喜悦の嗤いを嚙み殺す。
突貫、という勢いでレイチェルはその少女の鼠径部にむしゃぶりついた。
レイチェルは二次性徴を迎えつつあるアンの生え初めの赤い恥毛に前歯でかじりつくと容赦なくひきむしった。
「はじまったみたいですね。さすが前歯のレイチェルといったところですか。けれどいいんですか兄さん、あの人なら最初から壊しかねませんよ」
階上より響く、もはや絶命せんばかり、耳を聾せんばかりの少女の断末魔の朗唱を聴きながらマリラはなかばあきらめたように、うたうようにうっとりとひとりごちた。レイチェルは十人の血肉を分けたこどもを前歯の「恥毛抜き」「乳首かじり抜き」「陰核噛み飛ばし」といった技法で責め抜き絞りころした実績がある。
「そうさのう。あのレイチェルのことさ。手心を加えるくらいの礼節はあるだろうよ。万に一があってもあと一ダースくらいは女の子をよこすようにスペンサーさんにとりつけてあるから当分は心配なかろうて」
あたたかくおごそかな笑みを浮かべる兄のまなこにやどる真実性のなかに、マリラは血盟的な安らぎと信頼を抱くのであった。
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