人間の複雑な感情を消去せずに、そのまま強化する方法
以下、「物語」に関する箇所は、質問を露出させるために用いる個人的な意見となりますので、議論にならないようにお願いします。本当に聞きたい箇所は、最後の一文のみです。
物語とは、複数の登場人物に特徴的な感情(勇気、慎重、奔放、衰弱、良心、邪悪、爽快、不快、いろいろあり過ぎて書けない)に対応した役割を持たせ、さらに、彼らが置かれる状況の制御を行い、「交流」「対比」「衝突」を行っていくものと理解しております。
物語の読み手側は、役割を割り当てられた登場人物を複数の人格として見ているだけなので、役割や感情の間の差が大きくても、通常の人間の物語として楽しむことができますし、差が大きい方が面白くなります。
一方、物語の書き手側は、登場人物をイキイキと描写するために、複雑な感情の要素を消さずに持っていなければならないし、経験によって、その要素を強化、純化していかなければならない。
この際に、複数の人格が持っているような膨大な感情を、一人の小さい心、限られた体の中で、強化、純化するのは困難が伴うかと考えております。例えば、長期にわたる一貫性を重視する感情と、場を切り抜ける機会を重視する感情とを、心の中に完全に同時に同居させるのは困難ではないかと考えます。
矛盾したり、「ねじれの位置」にある感情を心にとどめ、うまく強化していく方法について、これまでの成功、失敗の経験があれば語っていただけないでしょうか。
一読書好きとしても、の意見ですが、そもそも、それは最早、文豪のエセーや私小説風作品などで良く語られる「主題」の域ではないでしょうか(←議論ではあらず)。
となれば、書いたテーマな故、答えはそれぞれ自身の作品中で語るしかないかと。因みに無論、僕はそうした壮大、難解な事で失敗、成功の経験はありません。