銃が! 銃が!

応募作品

大猫

2,205文字

今回は合評会に回文で挑戦いたします。
というのは言い訳で、実は締め切りを一週間、間違えていて作品が間に合わず、大慌てで作りかけの回文を繋ぎ合わせたのであります。

回文・ガンが! ガンが!

 

関門世界、迫害だ

快楽殺戮

トカレフ、レフ・トルストイの岩波文庫

ガンが! ガンが!

汽車乗り波打つマシンガンさ、なんだ?

ガンが! ガンが!

死人、微塵。惨死・変死・憤死・乾電池で感電死

遺産、真綿の珠か

新殿下父・雅なスナイパーも死んだ。胡桃にハブ、ライアー!

ガンが! ガンが!

名主葬式でループの特段サーバクラウド

 

檀家、旦那、御坊ごんぼ、頑固

サンバ、サンボ、コンガ、ボンゴ

なんだかんだ

 

道楽ばーさんダクトのプールで溺死!

嘘? 死ぬな!

ガンが! ガンがー!

 

“I LOVE HONEY MILK.”

男子盲牌なすび闇乳感電し

蒲田のタワマン、最新電化で沈殿化

新普請へ新参地味鳶師

 

癌が! 癌が!

旦那さん癌死待つ、海鳴りの屋敷

癌が! 癌が!

「昆布みなワイの!」

「胃とするとフレフレかと」

区立さくら医科大学は胃科専門家

 

かんもんせかいはくがいだかいらくさつりく

とかれふれふとるすといのいわなみぶんこ

がんががんがきしやのりなみうつましんがんさなんだ

がんががんが

しびとみじんざんしへんしふんし

かんでんちでかんでんしいさんまわたのたまか

しんでんかちちみやびスナイパーもしんだ

くるみにはぶらいあー

がんががんが

なぬしそうしきでるーぷのとくだんさーばくらうど

だんかだんなごんぼがんこぼんさばんささんばさんぼこんがぼんご

なんだかんだ

どうらくばーさんだくとのプールできしうそしぬな

がんががんがー

あいらぶはにみるく

だんしもーぱいなすびやみちちかんでんし

かまたのたわまんさいしんでんかでちんでんか

しんふしんへしんざんじみとびし

がんががんが

だんなさんがんしまつうみなりのやしき

がんががんが

こんぶみなわいのいとするとふれふれかと

くりつさくらいかだいがくはいかせんもんか

 

【鑑賞の手引】

合評会・お題「銃」の締め切りを一週間間違えて、のほほんと福岡まで相撲見物に出かけ大好きな横綱・白鵬と記念撮影してもらって有頂天になり、ついでに大分に出かけて行って温泉三昧豪遊し、すっかりいい気になって帰って来た著者が、締め切りは今夜零時であることに気が付き、慌てふためいて幾つかの回文をくっつけて提出したつぎはぎパッチワーク的な、木に竹を接いだような、猫に小判、馬耳東風、カエルの面にションベン的な、超難解誤読注意的な、馬馬虎虎的な、七転八倒的な、チョーゼツイミフ的な、可愛いお姉ちゃんがいると思ったらぼったくりバーだった的な、いやもうこりゃまたびっくりぎょーてん的な、結構毛だらけ猫灰だらけお尻の周りは糞だらけ的な、仏様でも知らぬ仏的な、古今東西、老若男女、津々浦々、隅から隅までずずずいーっと稀に見る回文の大傑作である。

万事において簡単完結を旨とする著者が、このように長々しく、仰々しく、くどくどしく、だらだらしく、アホアホしく、どうでもいい文章を敢えて書き連ねているのは、回文だけでは「五枚以上」の規定文字数に達しないからである。

肝心のお題「銃」については、そこはかとなく漂う回文の気分に任せ、適宜適当適切に適用適応していただければ幸甚である。個人的には「乾電池で感電死」のくだりが気に入っている。

「銃が銃が」がいつの間にか「癌が癌が」に移って行く変化の妙もお楽しみいただきたい。

特に旦那さん早く癌死してもらって、昆布を独り占めにしたい海鳴りの家の人々が、よりによって旦那さんを胃癌の専門である区立さくら医科大学へ入れてしまう失態ぶりは大いに味わっていただきたいところである。

 

ところでこんなにも頑張って文字数を稼いだにもかかわらず、規定にはまだまだ届かないのである。それなのに残り時間は30分なのである。仕方がないので前に書いた回文を引っ張り出してあてがうことにする。

いやいや、参った、参った。

 

 

 

回文・白髪イヤ

 

胡麻食べた白髪疎まし年疎き

髪の黒みはひじきかクルミのみ

美味い薔薇

長崎の栄養良いエノキ

佐賀ならば今、海のミルク牡蠣

慈悲は弥勒のみか

祈祷師と島とうがらし食べた孫

 

ごまたべたしらがうとましとしうとき

かみのくろみはひじきかくるみのみ

うまいばら

ながさきのえいようよいえのきさがならばいまうみのみるくかき

じひはみろくのみか

きとうしとしまとうがらしたべたまご

 

【鑑賞の手引】

寄る年波で白髪が増えたのを疎ましく思い、髪に良いと思われるものを片っ端から試してみる初老の男

(女でもよい)の悪あがきが悲しみを誘う。

しまいには神仏にすがり、あまつさえ願掛けのつもりか、孫に祈祷師と共に島とうがらしなどを食わせて

いるが、何の効能があるのだろうか。

「美味い薔薇」とあるのに不審に思われる向きもあるかもしれないが、食用バラというのはれっきとした

野菜であり、アントシアニンが豊富で抗酸化作用、アンチエイジング作用に優れているのである。

まったくためになる回文であることだ。

 

 

 

おまけ・温泉回文

 

有馬炭酸温泉泉音、サンタマリア!

ありまたんさんおんせんせんおんさんたまりあ

 

【鑑賞の手引】

有馬温泉でも特に効能高いという炭酸温泉が湧き出る音を聞きつけ、

思わず聖母マリア様に感謝してしまった信心深い湯治者の心境を生き生きと描いている。

本当は「観音さま!」と叫びたかったところだが、諸事情が許さなかったと聞き及んでいる。

2019年11月17日公開

© 2019 大猫

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"銃が! 銃が!"へのコメント 27

  • 投稿者 | 2019-11-18 17:37

    「2000文字」というたとしえもなく高い壁を思いました。

    • 投稿者 | 2019-11-20 18:35

      コメントありがとうございます。
      そうです。2000文字越えはとてつもなくハードです。
      いっそのことアルファベットで書こうかと思ったほどです。
      文字数稼げるし何となく斬新だし。

      止しな。高い壁、買い方無しよ。

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-18 18:48

    短時間で怪文というか回文作ってねじこめたのは凄いと思います

    • 投稿者 | 2019-11-20 18:52

      コメントありがとうございます。
      作りかけの回文をつなげただけですが、時間がなくて焦った後が見え隠れしております。

      かんぶんかいぶんぜんぶいかんぶんか
      漢文、回文、全部いかん文化

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-19 16:57

    え、これほんとに回分なんですか?
    ……すごすぎる。
    いきなりの「銃が!」の連呼は、回文というより怪文。

    • 投稿者 | 2019-11-21 15:07

      コメントありがとうございます。
      はははは、もっと感心、感動してください。
      何も知らずに読んだら意味不明の怪文書ですが。

      我が回文、新感動。うどん感心、V! 香川
      わがかいぶんしんかんどううどんかんしんぶいかがわ

      ↑ は勢いで作っちゃっただけで、作品はうどんにも香川にも関係ありません。念のため。

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-19 22:05

    鑑賞の手引の内容を受けて「銃が! 銃が!」を読み直すと、慌ただしく切羽詰まっているようなリズムを感じました。「死」と並走しているようにも感じました。

    • 投稿者 | 2019-11-21 18:41

      ありがとうございます。
      真面目に読んでもらったらかえって恐縮です。
      とっても慌てていたのは確かですが。

      死と言えば、こんな回文が
      「イメクラで落命」

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-20 20:41

    久しぶりの回文ですね。合評会の締め切りギリギリにあの言い訳(失礼)を書いていたのかと思うと面白かったです。一つ目の回文は無理くりだなあと感じましたが、二番目の回文はきちんと意味が通っていて流石だなあと思いました。

    • 投稿者 | 2019-11-21 18:50

      笑い事じゃありません、もうそりゃあ焦りました。
      もう少し洗練した姿で出品したかったのですが、
      これじゃ言語中枢に支障をきたした酔っぱらいです。

      浦和、暇の権化が言語の麻痺笑う。
      うらわひまのごんげがげんごのまひわらう

      住んでいるのは浦和ではなく川口ですが、川口だと回文にならないのでwww

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-21 03:17

    拝読いたしました!
    自分は回文というものに普段触れる機会がないので、今回こういう形で読んで考えさせられました。
    想えば回文というのは物語と違って、その前提に「この文章の外側に、文章の意味があるんですよ」というのがあって、つまり「ひっくり返しても同じになる」ということそれ自体が常にメタなファクターとして存在しているというか……うまく伝えられないですが。
    例えば、できるできないは別として、回文で書かれた物語があったとして、読む前にあらかじめ「これは回文ですよ」と言っておくとする。すると既にそれはある種のメタフィクションになるのではないかということで、小説における実験として面白いのかもしれないと思いつつ、しかしそれって物語の本質的な面白さが削がれてしまっているのでやっぱりだめかなぁ。
    ということを考えました。興味深かったです。

    • 投稿者 | 2019-11-21 19:00

      読んでいただきありがとうございました。
      論客の卍ノ輔さんらしい緻密な感想をいただきまして恐縮です。
      しかしちと考えすぎです。
      たかが言葉遊びです。
      遊びなのでどこへ連れて行かれるか分からないのが楽しくて
      止められません。

      ところで「まじまんじ」で回文を思いつきました。
      これも卍ノ輔さんのおかげです。

      ルーマニア人まじまんじアニマール
      るーまにあじんまじまんじあにまーる

      ああ、私は勤務中に何をやっておるのか・・・

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-22 07:34

    「旦那さん癌死待つ、海鳴りの屋敷」という部分にゴシック小説の萌芽を感じた。「癌が! 癌が!」のリフレインと相まって不穏な雰囲気を出している行だ。しょうもない鑑賞の手引きなどなくていいので、回文からフィクションに舵を切っても良かった気がする。

    • 投稿者 | 2019-11-22 18:47

      コメントありがとうございます。
      回文単独で5枚はさすがにきついのです。よほどの時間がないと。
      暇と根気があれば回文は誰にでもできますが、逆に言うと時間をたっぷりかけないと
      長いものはできません。ましてや思った通りの内容にするなんて。
      なんてまたまたしょうもない言い訳をしてしまった。
      隠居して時間がたっぷりできたら、ゴシック小説に挑戦してみます。

      こんなところで何ですが、私はこういうの作るのが好きです。
      古い言葉を入れた方が作りやすく何となく雰囲気が出るからです。
      そのうち回文和歌集を出してみたいものです。

      大和川 
      夜弾きし琵琶 寝盃 
      酒飲みし仲  佳き月夜 
      悲しみの今朝 傷重ね 
      侘しき昼よ  我が苫屋
      やまとがわよるひきしびわねさかずきさけのみしなかよきつきよかなしみのけさきずかさねわびしきひるよわがとまや

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-22 19:43

    回文というのなら素直にすごい。すごい根気と才能。素直に敬服。もはや回文じゃなくてもすごいなって思える。
    わけわかんない文章に感じるけど、そのわけわかんなさを独自の文体とリズムで出せているのだから、それはアートだし、感じるものも唯一無二だ。

    • 投稿者 | 2019-11-23 22:38

      コメントありがとうございます。
      偶然性から生まれるアートというものもあるらしいので、回文のような
      言葉遊びだってアートでいいじゃないかと私も思います。
      もっと完成度の高いものを目指して精進いたします。
      ネタをもっと溜め込んでおかないと。

      没のネタは種の壺
      ぼつのねたはたねのつぼ

      鑑賞の手引
      ウズベキスタンのことわざで、「失敗は成功の元」に相当する。
      (ウソです)

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-22 21:12

    回文をやってみたくなるような、ポップな仕上がりで好感が持てます。ガンガという三文字が効いていますね。大分温泉、いいですね。やはり冬は温泉ですね。

    • 投稿者 | 2019-11-23 22:45

      コメントありがとうございます。
      ぜひ回文作りをお試しください。時間があっという間に過ぎてしまいます。

      大分は良いところです。別府もあるし由布院もあるし。
      今のところ温泉ものの回文の最高傑作は今回載せた作品なのですが、
      先ほどこんなのを思いつきました。

      由布院別荘。うそっ!便意?冬
      ゆふいんべっそううそっべんいふゆ

      まだまだ修行が足りませぬ。

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-23 14:09

    鑑賞の手引きで解説されている情景を小説で読みたかったです。全て湿り気のある、手触りのある情景です。
    ただ、私には回文はとても書けないので、すごいです。

    • 投稿者 | 2019-11-23 22:49

      コメントありがとうございます。
      福岡場所や大分、別府の思い出は楽しいばかりで小説にはならないなあ。

      回文はわりととっつきやすいですよ。
      反対に読んでみてなんとなく言葉になりそうなものを見つけるのです。

      例)「またたび」を反対に読んだら「びたたま」

      またたび の びたたま
      マタタビ、のびたタマ

      著者
  • 投稿者 | 2019-11-23 23:28

    僕は一つ目の鑑賞の手引きの勢いとユーモアとが溢れた語りがとても好きです。今まで丁寧に書かれた大猫さんの小説を読んできたので、このような即興フリースタイル文章に驚き、惹かれました。回文は言うまでもなく凄すぎます。一つの作品として見ると、、というのはもちろんありますが、冷蔵庫の余り物だけで美味しい料理をつくった、みたいな感じでこれはこれで良かったです。

  • 編集者 | 2019-11-24 09:02

    回文は単純に文字数の二倍の意味を持つ。この恐ろしさを改めて感じた。制約も感じない。かなわないなあ。

  • 投稿者 | 2019-11-24 12:24

    本当に回文かどうか確認しなかったが、そこを外すことはないだろう。素晴らしい文芸。

  • 読者 | 2019-11-25 00:52

    こんばんは。
    さっそく飛んできました!
    やっとコメント欄が分かりました~
    回文で意味の通るこんなに長い文章をみたのは初めてです。
    刺激になりますありがとうございます。
    私の文芸用のサイトがありますのでぜひこちらをご覧くださいませ。
    感想いただけると本当に嬉しいです。
    お酒が好きとのことで、こんなのはどうでしょう。
    https://blog.goo.ne.jp/amaterasital/e/871d40f4c8e753ab8249df1b336b4d92

  • 投稿者 | 2019-11-26 15:35

    AutoReverse様
    コメントありがとうございます。
    文フリで回文詩集を購入させていただき、心が躍りました。
    早速、貴サイトへお邪魔してコメントを残してきたのですが、承認制と知らずに何度も投稿したかもしれません。ご勘弁を。

    著者
    • 読者 | 2019-11-26 18:10

      大猫さん、コメントありがとうございます。
      なるほどその線ですね。では私も追加で一句、

      さけしれば つまてあてまつ はれしけさ
      酒知れば ツマでアテ待つ 晴れし今朝

      ツマだけになったお皿で黙ってアテのオカワリを催促している、でも待てども来ない来たのは晴れた朝だった、といった感じ。お粗末。

      • 投稿者 | 2019-11-26 22:37

        AutoReverse様 ブラボー!

        さけしれば しにめをめにし はれしけさ
        酒知れば  死に目を目にし 晴れし今朝

        初めて酒を飲んで急性アルコール中毒で死んでしまう人を
        見かけるハメになった快晴の今朝よ。
         
        まさか破滅派のコメント欄で回文合戦をすることになるとは。
        もったいないから場所を移しましょう。

        著者
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