托卵師

サティスファクションセンター(第1話)

眞山大知

小説

22,928文字

托卵――妻が不倫相手ともうけた子を夫の子と騙して生み育てること。その手伝いをする職業が托卵師だ。
医学部を中退した夏樹は、生まれ育った豊洲で友人の佐田に誘われ、「クックーエッグ」という托卵師グループのメンバーになった。タワマンの林立する豊洲で夏樹は憎しみに燃える――幸福で金のあるタワマンの住人が許せない。不幸のどん底に叩き落としたい。
令和日本の階級社会を描く社会派暴力小説!

桜の泣き声がした。目を覚ますと綺羅のベッドに寝ていた。脇には佐田が金属バットを持って立っていた。

「佐田、なんでこんなところに」

「俺の綺羅が助けを呼んできたからね」

佐田は綺羅の腰を抱いていた。

「はあ?」

2024年6月11日公開

作品集『サティスファクションセンター』第1話 (全2話)

サティスファクションセンター

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© 2024 眞山大知

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