カウンセリング。

巣居けけ

小説

2,763文字

出入り口前の扉を開く……。エレベーターに怯えながら乗り込む……。三階の扉を開き、受付の女に氏名を伝える……。カウンセリングが始まる……。

おれたちに礼儀を教えろというのか……。そして理科教室の連中は誰も彼もが空き缶の色から女児の好みの測定をしている。珈琲を二杯飲む。昨日の続きの食パンを三口だけ齧る。ドアを開き、死体を犯す。最後の眼球に膨張した陰茎をねじ込み、硝子体の温かさに呻き声を漏らす。次の発売日までには終わらせろ……。
「確かに腕が四本あっても違和感ない顔してるわ!」
「顔がどこについているのか、理解できていないものね!」

そして教室の中で教科書が発生して溶けている……。態度とコーラスの色が重なって消えている。おれは三番目の路線から街に侵入し、迷路のような有様の路地裏を抜けて酒場に到達する。三時には帰るように言われているが、アルコール・チャレンジが全てを無に帰してくれるだろう……。伝言だ、「曰く、尿路結石を取り出せ……。そして未来の仮設トイレの位置に人糞をまき散らしておけ……」電線の中で声が聞こえる……。おれは消耗品の手違いでレジ打ちのような風船に釘を挿入して送還を確かめる……。おれは新しい音楽室の中でイタチの声色を確かめる。おれは……。
「あんたはもう限界だよ。さっさと休むべきだ」

主治医が未来を見据えながら喋りかけてくる。おれは次の仕事の手順を脳裡で呼び起こしながら聞き流して屈伸をする。さらに老婆のような手際の良さに側頭しながら脳の揺れ動く波に身体を任せる。

電撃と栗鼠のような味のかき氷が竹で作られた槍を使った戦い方を模索している。おれは新しい道にたどり着くまでの予測のような長い彫刻の塊に敬礼をしてから出発の準備に取り掛かった。
「あとどれくらいかかる?」
「三日と五つ星」

おれは即答し、脳が電撃を帯びているのを現実感の無いプラスチック爆弾で見知った。
「山羊だって腹は減るし人を殺したくなるモンなんだよっ」

街に山羊の香りが蔓延している……。遊びのための広場が山羊の糞で満たされて傾いている。

ふにゃふにゃな音楽と手足をくねくねと揺れ動かす蛙の頭の当直と医者。ステンレスの人体で肉を食らう首の長い怪物による授業。おれたちが夢に見た喫茶店の発展とカフェテリアの増減。サービス・ガールが全ての鳩の眼球を睨んでいるぞ……。
「カルーアミルクで」
「ここは請求書通りに……」そしてレジ横の商店街の模型に唾液を落とす。顎を伝って落下していく海水の音。

消耗品の中でおれたちは坂を超えることだけを目標にする。リラックス・ビルディングと分厚いカセットテープに金銭を要求し、警察官の仲間を誘き出す。おれは漁師になったつもりで車を運転し、側頭部の大脳で味噌の汁だけを吸い出す……。おれには二つ目の錠剤が必要だった。何とも言い難い顔色で辱めを受ける尿の擬人化やオードブル・セットを陸上競技の土俵に引きずり出す。「さあ、相撲の開始だ……」おれははっけよいのこったのリズムでシャボン玉を口から吐き出す。すると少年がどこからともなくおれの長所を叫んでいる。右隣りの男のコートに付いた白いシミや雑誌の広告の切れ端を読み上げる。「なるほど、ゲイ・バーには誰でも出入りができるってことか」珍しいハナヒゲウツボの顔で親戚のような態度を取る……。

丁寧に仕草を入れられたトンプソン・サブマシンガンを二丁ほど仕入れる。おれは仲介手数料のような歯列でげっぷをかまし、朝食のポップコーンで女児の顔色を測る。すると道路を進んでいるトラックの男がおれのトンプソンをさらっていく。
「おい! おいっ! あいつを捕まえろ! そしてケツに一発恵んでやれ! おそらくヤツは生粋のゲイだ」

おれは隣の女児に命令を下す。そしてヒョウのような勢いの彼女は男の右腕に噛みつき、落下していくトンプソンに蛇のような腕を絡めておれに差し出す。
「ありがとう。アンタはいつでも、ビューティー・ワーム……」おれは新作雑誌の気前の良い台詞を不確かな唇の震えた感触の中で連呼する。不気味なチーズのような顔色の彼女はおれの唾液の玉を避けてから哺乳瓶を自分の口に突き出して中断していた滑り台を再開する。

連続する祝福の粒のような不確かさを孕んでいる照明事情……。おれは街の道を暗闇の中でさ迷う。そして新作のポテトフライが発売になっていることを捨てられたチラシで知る。駆け上がった先の赤いように見えるコンビニエンスストアがおれを待っている……。開けていく自動ドアがおれの放送禁止用語だらけの名前を叫び、妊婦たちがドミノ倒しのように裂けていくのを感じる……。架空のレジにフライの注文を二つ返事で申し入れ、三分の時間を雑誌の流し読みで待つ。どうやら新任の数学教師がサッカーで生徒を殺めたらしい。おれは二度目の放送禁止用語のオンパレードに体当たりで向かい、油で汚れたつるつるの紙に守られたフライを受け取る。キッスを落とし、紫色に変動しているコンビニエンスストアから去る……。裂けたはずの妊婦がドミノ倒しのように戻っていくのが見えていた……。

波立つクリームの中でダンゴムシの土の臭いを感じるというのか? おれたちはサッカーゴールの中心で土鍋を作っている集団にインタビューを頼んだ。すると彼らはスナック菓子の香りを立たせている口で自分たちがいかに強靭で摩擦のある人種であるかを説いた。おれは二行で全ての発言をまとめてから本社の最も中途半端な連中たちを思い描いた。そうすることで歴代のスニーカーに別れを告げた。おれは道端がどれだけ悲しげなのかを理解していた。最後に人参の仲間に手錠をはめた。鉄の心地の良い音が他人のように鳴り響いていた。

自堕落を極めたことがあるか? おれは何もしたくないと言い張っている人間たちを知っている。そして中距離の飛行船の中で布団を広げる妄想を続ける。カレンダーに入力されているはずの二日分のケーキケースに電話器具をあてがう。季節の移り変わりが手に取るように分かる。「だからこそ金銭の魔人よ……。おれたちは煙草の残りカスで生き延びることができるほどの雑巾だったのか? 挨拶を変動させる大腸の幼稚な煽動によって階段を下る手間を省く……。猫の真似をしながらカキフライを購入している……。ほら、空きの部屋ができたアパートを見てみろ。かつては埃だらけだった上納に無理やりかぶりつくことがあるんだろ? おれは小さなゴミの残り香にすら敏感で、伏兵の中でもとびきり角ばったカクテルの氷を舐めることがある……。おれは医学の中でメスを握る。そしてドミノの不確かではない遊び方で人間を殺して楽しんでいる。おっと、新しいキャラメルのラテが届いているらしい……」

そこで語りの中心を舐めてから受け取り口に歩んでいく。重たい温度で出されたラテには無糖の印が付いていた。おれは温かさを分厚い肌で感じながらラテを握り、切れている唇で嗜むと共にその中身の味を全身から気体として吐き出した。

2022年11月19日公開

© 2022 巣居けけ

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