湖水の馬

消雲堂

小説

563文字

高校生時代の夏休み。猪苗代湖で僕は恐ろしいモノを見た。

「猪苗代湖」

高校生時代の夏休み。福島県耶麻郡猪苗代町。

薄暗くなった夕方に猪苗代湖畔の砂浜を散歩していると、吐き気を催すほどの匂いが漂ってきた。魚でも死んで腐敗しているんだろう?と骨が見えるほどに腐った魚の死骸をイメージしながら、そのまま歩き続けると、背の高い葦原の中に黒くて大きな土盛りのようなモノが見えた。訝しながら近づいてみると、土盛りと見えたモノは大きな馬の死骸だった。大きな体の向こう側に首があるのか、こちらからは馬の顔が見えない。

腐敗した巨大な馬の骸は、ところどころが白くなっている。それは数センチの小さなモノから1メートル以上の大きなモノまであって、何やらウネウネと蠢いている。よく見ると沢山の白い蛆が分厚い馬の皮膚を食い破っているのだった。馬の腹には大きな穴が空いて、血がついた赤黒い骨から、千匹以上の蛆が蠢く肉の端切れが、蛆とともにその穴の中にゆっくりと落ちるのが見えた。その瞬間、死んでいるはずの馬の首だけが向こう側からポンと立ち上がって僕を睨みつけたのだ。

僕は声にならない叫び声をあげて、腰を抜かしそうになった。しかし、腐った肉の塊の近くでは恐ろしくて腰を抜かすこともできない。僕はゆっくりと後ずさって、その場から逃れようとすると、馬の首は相変わらず僕を追いかけるように睨みつけているのだった。

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2014年9月11日公開

© 2014 消雲堂

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