僕はこの頃、妙なことに、笑う井上陽水にばったり出会ったりする。
野球場、遊歩道、目抜き通りのイルミネーション、そして星のない星空に浮かぶ井上陽水。
そんな時、僕は手を止めて、目を閉じて、iPodから放たれる流行りのロビカリー音楽を聞き、お魚と錆びながら沈むレンジローバーに想いを馳せる。
されど、昼でも夜でも、心にささやきかけるのは、にやけて笑う井上陽水。うふふ、うふふ、さあ。
そんな時は、ただ委ねるしかない。漂って、さまようしかない
そこには、小舟の行き交う島や、化粧が散らばる波や、情熱に群がる鳥の群れがある。
だって、斬新な響きは瞬間のアートだよ。それを心のように並べて、ホテルから運んでくれたパンとワインと一緒に流し込んじゃって
そこでも井上陽水はただ、夜空に浮かんで笑っている。
そして、星の降る暗がりでレタスの芽が芽生えているのを見つけて、僕はそっと地上を眺め、眠りの底へつく。
大丈夫、夢はつまり想い出のあとさきなのだから
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