投稿一覧破滅派 4,297件

投稿を新着順に表示しています。

  1. ことり 小説

    • 渡海 小波津
    • 13年前
    • 931文字

    オノマトペの実験作。音が表現する空間について。

  2. 敗者復活の女 小説

    • ケミカル本多
    • 13年前
    • 1,814文字

    ひろ子は零細事務所でアイドルをしている。自ら小さな事務所を選択した。大きな事務所だと枕営業があると思っていた。というのもあるが、彼女は挫折したことがなかったからだ。運動も音楽も絵画もすべてできて…

  3. 読め、読まない 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 150文字

    寝転がる、鼓動、心臓がやや左にある。   天井にはクモの巣が垂れる。主のいない朽ちたクモの巣である。   西日が入り込む。許可をしていないのに入り込む。   時計が…

  4. 思い出す 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 82文字

    排水溝から匂ったのはコロンでした。 浪人時代に背伸びをして使っていたコロンでした。 排水溝のその向こうにはかつての記憶が広がっていて僕はもう、 頭を擡げるのがやっとです。

  5. ざわざわ 小説

    • 愚人
    • 13年前
    • 3,640文字

    ある湿っぽい夏休みの朝、三年C組の女生徒がコタツのコードを首に巻き付け自宅の二階から飛び降りた。二階の窓からぶら下がった女生徒は糞尿が垂れ流しだったと、勝手口に座り込んだ酒屋の親父が僕の母さんに…

  6. 「輝き」 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 264文字

    僕は夢を見た。命令をされる夢。   「おい、おまえ!」 乱暴な料理長。 「はいっ、何でしょう!」 素直な僕。 「この魚の鱗の数を数えたまえ。剥がしながら数えたまえ。」 立派な髭をなでな…

  7. 未練、知恵の輪マーチ

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 92文字

    おい、ロッカールームで夕焼けで 会社学校ロッカールームで夕焼けで 金縛りの夕焼けで おい、あの頃の無愛想な自分 おい、今の無愛想な自分 あの頃の無愛想な自分、今の無愛想な自分より幾分かマシですね

  8. 生死マーチ

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 264文字

    朝、目を覚ましたり、夜寝たり 頭の中をかけめぐる 頭の中を何かがかけめぐる 玄関を出て 死んだ 車に乗り 曲を聴きながら 過ぎていく周りの景色に生きた メールの受信に死んだ 扇風機の風に生きて …

  9. 破壊しに、と電子書籍は言う メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 5,222文字

    クレイトン・クリステンセン著『イノベーションのジレンマ』を元に電子書籍が破壊的技術であると仮定してみよう。新技術によって破壊された荒野で、あなたはどんなテキストを紡いでいくべきか。

  10. あらし 小説

    • eichi kawakami
    • 13年前
    • 4,008文字

    一   京子はよく泣く。夜のあらしが怖いといっては泣き、遠くでサイレンの音が聴こえたといっては泣く。ようやく泣き止んだかと思うと、今度は、僕がみんなから嫌われてしまうといって泣く。明か…

  11. SS集 小説

    • 山本ハイジ
    • 13年前
    • 12,347文字

      愛の正確性。   仕事から疲れて帰ってくるといつも通り、妻のユミコが豊満な胸を左右に揺らしながら小走りで迎えてくれた。ユミコは縁がフリルで装飾された、白いエプロンを裸の上…

  12. 臭いんです。 小説

    • 愚人
    • 13年前
    • 15,836文字

    ここ数日間、何かとても臭い。 私自身が臭いのかと色々調べては見たが、足の裏、耳の裏、奥歯、ワキ、そして衣類に至るまで特に何も臭くない。 では私の部屋が臭いのだろうかと、ゴミ箱から畳、壁、天井、エ…

  13. プンクトゥム!(3) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 13年前
    • 939文字

      くらやみの中に、声音の振動として床板に染みいってつたわる祖母の言葉には、めいかくな形があってそれはわたしの視覚に姿をあらわす。   「上海」 「A」 「B」 「C」 「D…

  14. 静寂の闊歩

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 47文字

    天井を見上げると湯気が昇る 頭を湯槽に凭れて 見たいのはその先に何があるかで 今この瞬間は静寂の闊歩

  15. 受精のような 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 96文字

    朝、布団の中。パチリと目を覚ますと私の体を金魚が周遊していた。目的地なんて決めてないでしょと、決めつけてみる。そうか、私は恰も卵のように。ヒラヒラと尾を振って優雅に泳ぐ金魚は精子なのでしょう。

  16. 蹴飛ばしたら飛んでった

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 56文字

    蹴飛ばしたら飛んでった   大切な物だったのに   蹴飛ばしたら飛んでった   憎しみを込めて

  17. 蕩けるアイス

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 38文字

    蕩けるアイス 蕩けて床に落ちるアイス 辺りに一頻りの沈黙が漂って 最早、夜が明ける

  18. 日曜日

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 55文字

    気怠さとやる気を 両方持ち合わせているような日は   窓際、ブラインドの隙間から ラクダみたいな車でドライブ