登場人物の名前が覚えられなさすぎて「ウワーッ! 助けてくれー!」となりながら読んだ。ページをめくる度に「まだ新しい人出てくんの!?」と何度なったことか。
とはいえ、メインで出てくる人物は限られている。なので、犯人もそこから絞ることになる。ここで影の薄いエドモンやジャンヌがいきなり犯人になるのも肩すかしである。判事や警部の認識はあやふやのままで乗り切ってもいけると信じたまま読んでいる。なんかムカつくキャラだし多分こいつらはメインじゃないだろう。ところで、1930年代における老人キャラっていくつくらいの設定なんだろう。50歳とか?
犯人が館から出ることはできない。よって、犯人は発見時に館にいた人々の中にいるのは間違いないと思う。
コリネはヴェルディナージュから頭が悪い扱いをされていたが実は大学資格がある?とかで頭が良いことが判明している。持ち前の賢さで遠隔で発砲したのか? しかし、地の文が嘘をついてないとしたら彼が怪しい人物を見ているのはおかしい。
ベナールはあまりにも怪しすぎる。彼が犯人だったら面白くない。デカすぎる釣り針だ。ウキウキ密猟ライフを送るために脅迫状を書いているだけのしがない脅迫状職人にすぎないと思う。それにしても館主が二連続で死ぬのは不自然すぎる。しかし、もう1人館にいつづけている人物がいる。クロドシュだ。クロドシュが実は白痴(って書いたらダメなんでしたっけ?)のふりをしているだけだとしたら、当時としてはかなり斬新なのでは? 昔の海外ミステリーはあまり読んだことがないのでただのイメージだが。いや、あるか……。ある気もする。江戸川乱歩でもそんなんなかったっけ。「踊る一寸法師」は近いといえば近いかも。それに「踊る一寸法師」はエドガー・アラン・ポーの短編にインスパイアされた話らしいので何なら割と当時はそういうのがトレンドだったかもしれない。そもそも現代作品でやったらポリコレパンチでひとたまりもない気もする。それはさておき、クロドシュならさりげなくベナールを犯人に仕立て上げることもできる。タイプライターを隠すのも、ベナールの銃を凶器に使い、堂々とそれを自分で持つことで自分の指紋を誤魔化すことも造作もない。
それにしてもクロドシュが案内した謎の人物は誰なのか。本当に分からない。コートと帽子で顔を隠してるとして、それらはどこかに脱ぎ捨てないといけない。どこに隠したのか。そんな奴はいない、クロドシュの自作自演、とも思ったが、地の文で存在を表記されているし、目撃もされているので、いるのはいるのだ。で、誰?
そこで行き詰まるので真相は闇の中です! どうやら私はここまでのようだ。後は残された名探偵の皆さんに頼む……。
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