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【 30秒で読める話:10】Yeahhh!

taro-nagahamada

昨日は、ぼくの推しのレゲエ・アーティスト「石垣吉道」さまの新しいレコードが発売されました。「いい流れ」「プカプカ」という2曲入った7インチです。いい曲なので、世界中の人が聴いてくれたらなあって思います。

小説

596文字

【 30秒で読める話:10】Yeahhh!

 

サッカーの試合を見るために、ぼくたちは集まった。

「ビール、回して。乾杯まで飲むなよ」

 

まさおは、ビールを受け取ると、すぐに缶をあけてゴクゴクと一気に飲み干した。

そしてゲップをしながら、親指を立てる。

「いや、全然わかってねーじゃん」

 

テレビの前のソファに座るぼくたち。

「なんか、緊張してきたな」とひとりがいう。

「公式戦だからね」とぼくはいう。

 

国歌斉唱がはじまる。

ぼくらは何となく神妙な面持ちで、メロディに合わせて歌い始める。

 

するとすぐに、まさおが「Ah Yeahhh!」と合いの手を入れる。

 

「おい、君が代に『Ah Yeahhh』はないだろ」とぼくはいう。

「アメリカの国歌だって、そんなのないわ。厳粛なんだから国歌って」

 

まさおはビールを傾ける。

「あー、お前ら、そっち系? おれにはブレイク・ビーツが聞こえんのに」

「聞こえねえよ」と皆がいう。

「そっか、じゃあ、DNAか。刻まれてんのかも、おれって」

「お前、実家が三浦で農家やってるっていったじゃん」

 

まさおは、大根でも見るようにぼくらの顔を見る。

「突然変異。ヘミングウェイの猫みたいなのが、おれなのよ」

 

だれも何もいわない。というか、いえない。

そのとき笛が鳴って試合が始まった。

 

「Ah Yeahhh!」と皆で叫んだ。

© 2026 taro-nagahamada ( 2026年11月8日公開 )

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