拓実は何時も通りサーフィンスーツを着て、サーフボードを持つと家を出る。
時刻は四時半位で歩いてる人は誰もいなく、朝日が少しだけ登っていた。歩いて数分で大洗町ビーチに着くと、急に霧が立ち籠めてきた。
殆ど霧で覆われてしまい、ただ波の音だけがしている。
「みどり。みどりいるのか」
拓実は夢の中でみどりと交わした話しを思い出し、声をかけるものの一向に反応がない。
「どうせ俺がみたのは夢だからまさか来るはずないよな」
拓実はみどりがもうこの世にいなく、考えすぎた結果、頭がおかしくなってしまったのではないかと、自分自身に嘲笑していた。
「俺きっと頭がおかしくなってんだアハハハハハハハハ」
一人で笑っていると、誰かが軽く肩を叩いてくる。
「ん、誰だ」
拓実が振り返るとそこには白いワンピースを着たみどりがいた。
「拓実君本当に来てくれたんだ。嬉しい」
拓実は我に返る。そこには自分の探していたみどりが立っていた。
「ごめん。やっぱりみどりを一人にさせたくなくって」
みどりは嬉しそうに拓実の手を握り微笑んだ。
「拓実君ならきっと私のために来てくれるとおもってたよ。私今ね凄く体が楽なの。苦しみから開放された感じ、とても軽いの体が」
「良かった元気になれて俺も嬉しい」
「拓実君いこう」
拓実は暫く考えた。きっとこれが人生最後の決断になると。
すると、みどりの手を握り返し、拓実は笑顔で言った。
「そっちに行くよ。やっぱり俺はみどりが好きだから」
「うん、ありがとう。じゃあ一緒に行こう」
「ああ」
二人は仲良く手を繋ぎながら海の霧の中に消えていくのであった。
大洗町のビーチの公園にある貼り紙がされてあった。
〈この人を探しています。白鳥拓実身長百七十センチ、体重六十キロ☓☓高校の生徒で行方が分かりません。情報提供お願いします〉
〈この人を探しています。土井みどり身長百六十五センチ、体重五十キロ☓☓高校の生徒で行方が分かりません。情報提供お願いします〉
掲示板に貼られてる紙を見て、股間を掻きながら拓実に死神と言われた男が呟いた。
「これで二人は結ばれたてことかな。ある意味ハッピーエンドだねこれは」
男はそう言うと、股間を掻きながら何処に消えてしまった。
"あの夏、君は海えと消えた (8)"へのコメント 0件