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リ今セでッはトボ症ケ候防群止※パイロット版『書かなかった小説大賞』SF部門(U39)最優秀テンプレート賞受賞作役オーディション・エントリーテキスト

尼子猩庵

そのアイデアに降って来られた時、母体が身心は疲弊しており、避妊措置に向かうも時すでに遅く、堕胎の運びとなるもアイデアは母体が脳髄にしがみついて離れず、帝王切開やむなし、麻酔の臭いと電ノコの音、遠のく意識の片端で、どこかの物書きにアイデアが舞い降り、感電したごとく倒れ、腹部が裂けて大きな花が開き、飛んで来た小鳥がゴクリと飲まれ、死骸の腹がゴロゴロ鳴ったと思いきや、どこかのパラボラに(※字数オーバー)

タグ: #SF #メタフィクション #実験的

小説

4,909文字

 

 

 

■タイトルへの思い……はい。子どもの頃、テレビゲームと言えば、リセット症候群とか申しまして、現実逃避、ゲームの世界と現実との混同、云々と危ぶまれておりましたが、今では高齢者のボケ防止に推奨されているぐらいのことで、「リセット症候群」と「今ではボケ防止」という二つの言葉を、一語ずつ噛み合わせたのがこの『リ今セでッはトボ症ケ候防群止』という、本作のタイトルになります。

 

 

■世界観……現実世界は、セーブによるやり直し可能、さらにメモリーカードを用いれば多世界横断可能、レベルアップも裏ワザもある。反対にゲームの中は、やり直し不可能、予測も立たず、自由な選択も出来ない、一回きりの人生。

 

 

■プロット(メイン)……朝の通勤電車。ある女性を、主人公がチラチラと見る。

回想。かつての学校や、今の職場の女性たち等と、関係したこと。あとでセーブ地点に戻り、一から回避したため、向こうは誰もその事実を知らない。

行為の最中、一時停止することもしばしば。メモリーカードには、一時停止中の女性多数。いつでも再開可能。

回想終わり。満員電車。冒頭の女性が降りる。主人公は肩をすくめ、じわじわと移動して、ある地点に立つと、降りる駅まで、ほかの乗客が消える。座席に寝そべり、本を読む。

昼休憩、ワープして競馬場へ。最初はそのつどセーブ地点に戻って的中馬券を買い直していたが、繰り返すうちにレベルアップし、今ではどれが勝つか一目でわかる。ここを外して来るレースは手ごわいが、もう滅多に出会わない。

終業し、帰路の道々。時おり、無法者から襲われる。やり直すたびにエンカウントの模様も変わる。危ない地域ではこまめなセーブ。戦闘中は数秒単位で。殴られて、よけられなければゼロコンマ戻り、よける。そして攻撃。よけられたらゼロコンマ戻り、当てる。

繰り返すうちにレベルアップし、今ではそもそも敵のパンチは当たらない。当たっても食らわない。ジャブで殺せる。

殺してしまう。戻って回避。背後から刺される。戻って回避。

生活出来ないほど強くなり過ぎた分は、ヤミ屋に売る。異常な筋力や反射神経、記憶力や視力聴力、第六感や強運といったもの。徳や業は売り買い出来ない。

ここで得たお金は将来の大病や慢性疾患の全回復資金としてヤミ銀行にストック。金利2.8%。

不慮の事故などで突然死した場合、最後のセーブ地点で自動的に目覚めるかどうかは、いまだ不明。

何か知りたいことがあれば、通行人(いつも同じ場所にいる人など)に話しかければ「そう言えば、変な噂を聞いたな……」と独り言で教えてくれる。しかし情報には限界がある。

どこかに先達はいないか。仲間が欲しい。しかしこちらから探せば、あちらからも見つけられる。捕まるかもしれない。あるいは、実はもう何人も出会ったのだけれど、リセットされて、こちらは覚えていない状態なのかもしれない。

地面が光っていると、何かしら有益なものが落ちている。九分九厘サイフ。

帰宅してテレビをつける。プロ野球中継。ずっと同じ試合が流れている。ネクタイも外さず立ったまま缶ビールを開け、ちびちび飲みつつボンヤリ見る。

野球選手であった時の回想。

打席に入るたび、毎度ルーティンとしてセーブする。甘い球が来るまで待ち、芯に当たるまで繰り返す。58試合でOPS1.950。打率.522。49本塁打。128打点。出塁率.620。超打率1.330。277塁打。38盗塁。センターを守ってホーム補殺11。本塁打キャッチ13。WAR10.8。

けっきょく、有名になり過ぎて道も歩けなくなり、醜聞の拡散に苦しめられて入団前のセーブポイントに戻った。※バグが起きて、妹が一人増えていた。

同じように、人気ロックバンドのボーカルであった時の回想、ノーベル物理学賞の最年少記録を塗り替えた時の回想、八十五歳まで試した時の回想(死神の足音がして撤退)、等々。

三十八歳の秋、五十歳の初夏、六十九歳の元旦に、何かしら回避不能の出来事が起こる。吉凶確率今のところ半々。

――だいたいこのような感じで。

 

 

■プロット(サブ)……子どもの頃、お小遣いを貯めてゲームを買った。

流行りのロールプレイングゲーム。プレイする。主人公の両親の出会いから。なかなか始まらない。ようやく主人公が生まれる。戦士がよかったけれど、属性は僧侶だった。

名前も両親によって勝手につけられる。

幼なじみの女の子。不器量で陰湿。彼女がやった色々なイタズラの犯人にされたり、ロクなことがない。

絶対よさげなパーティーから冒険に誘われる。「はい」を連打するも、主人公はなぜか断る。あとで激しく後悔する。

くだんのパーティーは世界を救わんという活躍。主人公は地道にモンスターを退治する日々。しかしいくら倒しても、なかなか強くはならない。だんだん、膝や腰を悪くする。モンスターの死骸は腐って悪臭を放ち、新型ウイルスの温床となる。

ある時、ザコモンスターにひっかかれた傷が化膿する。ゴールドが足りず、回復魔法を受けられない。

回復の泉に浸けると治るが、変形と麻痺が残り、以降雨の日にはひどく痛む。

僻地の塔を治める中ボスと戦闘中、足を滑らし、石の床に後頭部を強打して死ぬ。ゲームオーバー。

ロムカセットが冷たくなる。何度差し直しても、もうつかない。ロムカセットは次第に柔らかくなり、セットすることすら出来なくなる。

ロムカセットが腐り始める。蠅がたかり、蛆が湧く。

父親からは「早く埋めてやれ」と言われるが、どうしてもやり直したい。「ゲームには、やり直しは利かないんだよ」と諭され、庭の隅に泣く泣く埋める。

そうして今。朝の通勤途中、駅の前で立ち止まる。改札はくぐるが、いつもと反対方向の電車に乗る。

実家に帰って、庭の隅をちらりと見やるも、そちらへは行かず、メモリーカードを探す。見つからない。母親に百回話しかけると、「そう言えばこのあいだ、あんたの部屋を掃除してたら、古いガラクタが出て来たわよ……」

目当てのメモリーカードが見つかり、子ども時分に戻る。お小遣いを握りしめ、おもちゃ屋へ行くところ。そしてくだんのゲームを買う。

ところが、家に帰って箱を開けると、中からは灰がさらさらと流れ落ちる。

 

 

■見どころ……野球の回想シーンにある人がカメオ出演。

 

 

■笑いどころ……「地球の正式名称は何か」という無駄話の中で、「地味に可哀相な、球数制限による途中降板、の略称」と答えるところ。

 

 

■泣かせどころ……メインヒロインが、ある悲劇を回避するためにリセットされたはずの記憶を、ボンヤリと覚えているかのような行動を取るところ。

 

 

■伏線回収……なし。あえて投げっぱなし、強いて不回収の連続。張るだけ張って置き去りにし、野生化させる目論見。

 

 

■書かなかった理由……何者かから妨害を受けたため。

 

 

■その後……その後はありません。やり直してもロムカセットは灰になっていたというところで、終わり。ふたたび実人生を、性懲りもなく、やり直しや、レベルアップや、裏ワザや、一時停止や、ワープや、多世界横断などを駆使して暮らしてゆくのであろうなと、いう感じでさらっと終わります。

 

 

■その後……以上です。――どういうことですか。

 

 

■その後……その後――この私が、このたびの受賞(最優秀テンプレート賞)を機に、過去作が一気に売れる。そうして、めでたしめでたし。

 

 

■その後……映画化され、試写会的なところに、呼ばれる。スタンディングオベーションの中、嬉し涙を浮かべつつ、噛みしめるようにほほ笑むところで終幕。

 

 

■その後……ある日、インタビューか対談で、十九歳時分に受けた顔面骨折の手術が、ロクな説明もされず局所麻酔で行われたことを話す。手術中、人生で初めて過呼吸発作を起こし、爾来フラッシュバックと外出困難に悩み続けていることを告白、当の病院と執刀医を名指しで攻撃、後日、名誉毀損で訴えられる。

徹底抗戦。当の手術から心療内科の受診まで数年空いていることや、ほかに考えられ得る原因、家庭崩壊や夜逃げや●●未遂やアルコールその他など、不利な弾を並べられるも、奇跡的にカルテは見つかる、逆にPTSDが証明される、時効ギリギリで勝つ。

十九年分の逸失利益・慰謝料・遅延損害金が支払われる。

 

 

■その後……そのお金で借金を完済し、ある肌寒い日の正午、突堤の先で一人体育座りして、瀬戸内の凪いだ海を眺める。

 

 

■その後……大学受験に失敗した、執刀医の息子から刺される。

 

 

(10Points!!)←決勝点。

 

 

■その後……薄れゆく意識の中で、実名攻撃の前に戻ろうとし、しかしセーブしておかなかったことに気づく。その前に戻るとなると、本作をもう一度書き直さねばならず、正確に書けるかどうか。書けても、母なる乱数がアレして、今度は賞を取れる保証はない。

蒼白な顔をアップで映し、カメラは私のまわりをぐるぐる回る。エンドロール。

 

 

■その後……実際には眼精疲労と金欠により、二十代からゲームをやれていないため、これを機にふたたびゲームをやり始める。テレビの前でコントローラーを手に、座っている後ろ姿がフェードアウト。

 

 

■その後……パートナーが掃除機をかけていて、コードを引っかけて画面がバグる。慌ててロムカセットを取り出し、どうすればよいやら、フゥッと接続端子のホコリを吹き飛ばして、ふたたび差し込むも、絶望的な音が鳴り、「データは消えてしまいました」とのこと。

 

 

■その後……落ちに五代目圓楽が苦笑いして額を叩く。その仕草が顔面骨折に掛かって座布団一枚。

 

 

(10Points!!)←同点弾。コーファックスの負けが消滅。

 

 

■その後……(空欄)

 

 

■その後……宝くじが当たって沖縄の場末のバーで米軍から拳銃を買ってグレートバリアリーフの上空からスカイダイビングしてパラシュートを脱ぎ捨てて空中でこめかみをぶち抜く。10Points!!

 

 

■その後……最初に戻る。

 

 

■その後……後半へ続く(声:キートン山田)。

 

 

■その後……いつまでも「その後……」を強制される男の物語。

 

 

■その後……その後

 

 

■その後……(´・ω・`)

 

 

■その後……(-_-メ)

 

 

■その後……(-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ) (-_-メ)(-_-メ)(-_-メ)

 

 

■その後……【このURLは無効です】

 

 

■その後……(※以降文字化け)

 

 

■その後……遺書らしきものは見当たりませんでした。

 

 

■その後……リタイア。(記録:4164文字)

 

 

■そ

 

 

 

 

sお

 

 

ssssss

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(-_-メ)

 

 

 

 

 

 

 

© 2026 尼子猩庵 ( 2026年5月9日公開

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