カエルの詩(うた):奇矯散文詩…手書きのイラスト新規作成+尻尾のほうに文章ちょっと追加

加羅戸麻矢

713文字

2年前に間違えてワード添付ファイルで投稿したカエルの詩(うた)の文章ちょっと変更し(最後に金魚の糞の類の文を加え)自分で描いた漫画絵を作成しましたので、若干の改訂版して掲載します(漫画絵のカエルの色は緑色にしました)
※今回はイラストを自分で描いてみたので、文字とイラストイメージが溶け合うと嬉しいです。

カエルの詩(うた)           加羅戸麻矢

「カエルの詩」加羅戸麻矢

ぼくはガマガエル、昔はオタマジャクシだったんやけど
今は土いろ斑点のついた茶色つなぎ着て大きくなったでゲロ
きのうは気に入らないガマ野郎を友だちの蟷螂の斧でひとっ裂き
はらわたをホルモン料理屋に仕出し脳みそを味噌漬け屋に売りさばき
小金を稼いだでゲロ
小銭持ち歩くのは難儀だから、ガマ野郎の体を天日干しにし
懇意のアザミの花姉ちゃんに刺繍を頼んだでゲロ
出来上がったのはデイバック風のがま口や
そんで「がま口背負ったガマガエル」と唐様のタスキをかけ幟(のぼり)を立てて
街を歩けば人間様がお布施をくれたでゲロ
たいそう金が溜まったので、一杯飲み屋で焼き鳥つまみに熱燗グビグビ
千鳥足で秘密の寝床の下水道に帰ったらびっくりでゲロ
僕と同じつなぎを着た人間様が何人も寝てるやないか
つなぎがドブ色で黒墨斑点付きだからきっとハイソな人達でゲロ
おっと、腹二十分目なもんで気持ち悪くなってきたでゲロ
下水に向かってゲロゲロゲロゲロ・ゲロ…
腹八分目でスッキリしたんで
折り畳んで断熱クッションにした札入りのデイバッグをベッド代わりに
ぬめった白いベタベタ太鼓腹を上に向かせ
おやすみでゲロ

*がま吉のその後*
がま吉は貯まったお金で街のDIYに出掛け、板っ切れと釘と防水シール材を買ってきて下水のねぐらに戻り、箱舟を作りました
釘は自分では打てないので空を飛んでいるキツツキに適当な嘘をついて下水のねぐらに連れてきて釘打ちを手伝ってもらいました
そして念願の箱舟ができあがったので、『方舟がま吉号』と名付けて乗り込み下水を下っていってがま吉の新たな冒険旅行がほどなく始まったという報告を本人から受けた次第です
(たぶん?続く)

2024年11月29日公開

© 2024 加羅戸麻矢

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"カエルの詩(うた):奇矯散文詩…手書きのイラスト新規作成+尻尾のほうに文章ちょっと追加"へのコメント 1

  • 投稿者 | 2024-12-01 12:39

     文章が詩的なテンポで面白かったです。ハナシも70年代の、藤子不二雄Aのブラックユーモア作品を読んでいるようで。
     真逆にグロの要素を省いたら数年前に話題となった『百日後に死ぬワニ』を書いていて、市井から話題になるのだろうなとは……とは感じました。
     

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