たとえは、リゾートには遠い向日葵の退廃美
たとえは、青白い満月を抱くラブホテルの演出効果
よくよくれば、いつかの、大きな声で叫んでいる
だまし絵のよう春の嵐のウロウロするおひさまだよ
「綺麗なものだとおもうけど?」
(いつかの位置にかえってくる)
この先は長く細くモノクロにのびる辺りで。よるにむかって歩いている
オニユリ/アザミ/ノブドウ。
そのようにスポイトで塗りつぶすのは、なぜだろうか。小道に目につくように歪だった。けれどどうだろう。いつかの秋にある枯れたそれは、また舌で転がすだけ。
この体を あやしている 異国のカレンダーは今更壁にぶつかり、暑苦しく刺し殺すような人混みによって足を取られ、蝶と波のように広がる。
現実世界から遊離していく。背を押される、自慢の垂れた耳、使い古しの春画。逆さまの湖に刷り込まれた、腹に胸になにか重たいような。無街灯ばかり苦しいような。
すこしも止みそうにない/
水面が/
洩れていく。/
まだざんざめく。
――あくびだよ、また
これからの星屑も手つかずの宝石箱。
〈泥水とポーション/ざぶんざぶんとくちゃくちゃ〉
、の者が。
深酒に、
溺れていたよな印象派の絵画、
識らない夢を知っていたふりして
突き動かされるばかりなのだが、
蜃気楼の安堵をどこか祈っている
電線に止まる獣の視線で四畳半、縋るのかこんなところへ、苦し紛れでも。スクリーンにはそそけた顔の 『プラトニックな乙女』 はんぶんすぎたところで、足踏みしている。
痺れた秒針だけ伸ばせるスペースに、息もあたらないほどの場に、少し寄りかかるしかない未来予想図、羅針盤、あり。
いま。いきをつき、じかんをとじる
すがたあるころは。
「大雨のひかりに叢がるにはまだ早いの。」
四角錐をなんぼか、ひとりごとを。いいながら、
優雅な蛾は幾星霜の傘もささずに 何処へ行こうか。
重ねただけの ガタボコな、段で背伸びして、
(ひねくれた散歩道に ただの夕暮れだとは 思わないものです。)
摩天楼がギラつかせる部屋の中を……
これは真っ直ぐであり。あやふやな気持ちのまま、喉元を裂き、絶命するときまで自撮りする。躊躇なく一部を取って、愛でることが。
(薄情も信じちゃいない癖に。)
くす玉がそのうち割れるまでは撓んでいて 垂直に突き通った色は 当たりくじを買い尽くす光が あたり、薄まるけど。天から吊られた首を引く、後に痕に落ちた桜の枝を手にとってみる、
(けれど。器に、咲かせたものだったか。)
ほら、夜空を奪いにいく息も、絶え絶え、かどに立ち。道行が暗く陰っていく。やわこい土、手触りは悪くない。そんな遠いところでもないのに、なくし物が外せてから、真夏をまま、ねすごしても月面、とがらせて。
エアコンと扇風機に撹拌されて、この褪色時計はまったく平気な時報を均した。
渋めの麦茶の氷も溶けた今を向いて、二つ返事の身の上、
押しては引くいまだ暇もなく転がりゆく。
また、みんなの街はにぎやかに、あるひと。よるにむかって進んでいる。
キバナコスモスの見頃すぎて。何も無いようで意味があるから。つっかえているから。
みえてしまうのだとおもいたかった。
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