尻尾の名残と盲腸

戸森 鈴子

325文字

尻尾の名残はいらなくはないが、いらなくなったという事実の名残なのかな

 
いらないものが
痛んで邪魔だ
 
盲腸とか
尻尾の名残とか
 
今も大層打ち付けて
尻尾の名残が痛んで痛む
 
盲腸だって
本当に必要ないんだろうね
 
その気持ちだって
本当に必要なかったんだろうね
 
あとから
医学会で
必要だなんて言いださないよね
 
切り捨てた
あとになってから
必要だったなんて
泣きながら発表しないよね
 
捨てたあとから
痛い痛いって
必要だったなんて
 
今更発表しないよね
 
泣き喚いても
盲腸は戻らないし
あいつも戻らない
 
もしかしたら
元気になって
走りまわることになるかもしれないけど
 
今痛むのは尻尾の名残なんだっていうのを
忘れないでくれよ

 

2021年1月19日公開

© 2021 戸森 鈴子

読み終えたらレビューしてください

この作品のタグ

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

"尻尾の名残と盲腸"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る