空豆と云う響きは悲しい
雨が降る午後に空豆の皮を剥いた
四角い箱からは当たり障りの無い
組み合わせの羅列が流れ
通過しては留まりもせず 消え行く
滞る方法が見つからないのだろう
確かに違うはずなのに その他大勢
ザルの中はまだ半分
多数決をすれば 私は負ける
柔らかに包まれた空豆を外しながら
追憶を解く
君の顔 声 姿 形 色彩
あの時に伏せられた睫毛
繰り出された 答え
剥いていたのは どうやら私の殻
君の眼には輝きもせず
ただの空豆に見えたのね?
ザルにはいっぱいの空豆と
寂しげな空豆の残骸
今から 塩茹でにするつもり
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