超短編小説「猫角家の人々」その62

moonkaguya

小説

1,518文字

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地球之犯罪者滅亡派

トランプ氏が米国大統領に当選した瞬間、日本の真の統治者たちが失権した。マイケル・グリーンバーグら1%オリガーキの対日侵略部隊であるジャパン・ハンドラーズ達は、予期せぬ選挙結果に口から泡を吹いた。そして、即座に表舞台から姿を消した。彼らは頻繁に登場していたテレビ画面から、一斉に消えた。「信じられない」という狼狽の言葉を残して。

1%オリガーキにとっても、傘下の朝鮮悪にとっても、米国大統領選挙でヒラリー・クリントンが敗北したことは、彼らの300年の歴史の中で最悪かつ驚愕の事態だったのだ。世界の支配者が、突如、権力の座から転げ落ちたのだ。大変な事態だ。何とか、挽回しなくては!トランプ当選とともにトランプ叩きが始まった。日米のメディアが声を揃えて、トランプ氏の誹謗中傷に精を出した。メディアは、1%オリガーキの「私物」と化していたのだ。1%オリガーキの天敵であるトランプ氏を半狂乱で批判した。だが、米国の大統領選で圧倒的な支持を得て当選したトランプ氏だ。米国の白人労働者階級は、こぞって、トランプ氏を支持したのだ。メディアがどんなに騒いでも、トランプ氏への支持は依然として強固なままだ。

トランプ氏の勝利は、日本の1%オリガーキ奴隷たちにも即座に大きな影響をもたらす。ジャーナリストKの後援会に潜入していた「朝鮮悪」のメンバーのうち数名も、トランプ当選とともに、後援会から離脱して、朝鮮悪組織の構成員であることを自ら露呈した。「非常事態」なのだ。もう、後援会に潜伏し続けても意味がなくなったのだ。

Kの強力なサポーターだったはずの男が、突如、K批判を始める。Kの「おっかけ」だった男に一体何が起きたのか?周囲の後援会員が驚く。まさかあの人が….と。だが、批判の中身がない。とってつけたような、力のないK批判がむなしい。当人に、Kを批判する「動機」がないのだ。ただただ、背後の組織から指示されて、いやいやながら、K批判に加担している。背中を押されて、Kの面前に立たされ、最低限の義務を果たすかのように弱弱しくK批判をする。何かを悟られないように、物理的な「距離」を置いて。

当人が朝鮮悪組織に組み込まれたのは、ただただ、シャブが原因である。激務の流通業でついつい、シャブに手を出してしまった三尾某は、泥田に嵌ってしまった。シャブを手に入れるために、朝鮮悪組織に魂を売ったのだ。いまさら、後戻りはできない。シャブ依存症が深く進行してしまっている。

Kからシャブ中だと指摘されると、強く否定し、反発する振りをするよう組織から言われている。だが、良心の呵責があり、何も知らない家族への後ろめたい気持ちがあるため、反発に力も入らない。袋小路に嵌ってしまった自分には「先」がない。多くのジャンキーが辿るような最後の結末が待っているのだろうか?オーバードースで、眼を開いたまま死んでいくのだろうか?いっそのこと、死ねたのならば、楽になれると考えることもある。シャブから逃れられない無間地獄にいるよりも。

KやKの読者たちからシャブ中と指摘されるたびに、心が揺れる。狼狽する。恐怖を忘れるために、また、シャブに頼る。シャブさえ打てば、強気になれる。「俺はシャブなんかやっていない!」と自信たっぷりに宣言できる。だが、シャブが切れれば、ひどい焦燥感が襲ってくる。近頃は、副作用が強くなってきた。幻想や幻覚に悩まされる。本当に、マジに、目の前を熊が三輪車に乗って通り過ぎていくのだ。突如襲ってくる全身の痛みは耐え難い。ただひたすら、発作が去るのを待つしかない。その発作がいつやってくるかわからない。人前で発作に襲われた姿を見られたくない。外に出るのも怖くなる。(続く)

2023年8月7日公開

© 2023 moonkaguya

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